その五十五 その男、とりあえず動く。 その三
驚きの19800PV超えです。大感謝しかありません。
まだまだちょっと続く日常編。
とりあえずこっちの回はここまでです。
「いつも手づたってもらって悪いねぇ」
「なんの。オタツ殿にはいつも世話になっているからの。毎度終わった後には握り飯をくれるのだ。これくらいなら手間でもなんでも無いわ」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃあないか」
隣で洗い物をしているオタツ殿と並んで洗い物をする俺。
ちなみに普通の俺の背丈だと流しに届かない為、専用の立ち台を作り、それに乗りながら作業をしている。
そしてその後、イケダ屋で草刈り、布団干しを行い、そこでお決まりのように暴漢がやってくる。
「またしてもやってきたのか、サキチ殿」
「うるせぇ! 今度こそテメェをぶっ飛ばしてやるぁ!」
そういって毎回突っ込んできてはただ拳を振るうだけなので、見てから避けて当身を食らわせて終わる。
このサキチ殿、どうやらイケダ屋に因縁があるらしいのだが未だに詳しい事情を聞けてはいない。聞こうと思ってもはぐらかされるからな……。
その後、イケダ屋で握り飯をもらい、織晴鉱を採掘する頃には、ハル殿とデン殿、チョメ殿がやってくる。
そこで共に様々な土地……ふぃーるど、というらしい。……をめぐり、デン殿とチョメ殿を鍛える。
本来はチョメ殿を鍛えることは想定していなかったのだが、チョメ殿からどうしても願い出てこられた為、共に鍛えている。ハル殿はそんな中見ていたり共に真似したりといった感じだ。
「ほれデン殿。まだまだその程度の振りではおっつかぬぞ。もっと踏み込まんと当たらんぞ」
「だりゃああああああ!」
「気迫だけは合格だがな。それだけでは足りんのだ」
「ぐげえええええええ!」
とまあ、失敗したら大きくふっとばされるのが日課となっている。チョメ殿は最初は打刀を使っていたが、次第に小太刀のほうが良かろうということでそちらに切り替える。刀はもちろんマサムラ殿に打ってもらう予定だ。
ただまあ、うん。チョメ殿には気の毒なのだが……。
「チョメ殿は正面からの戦い方というのはまったく向いておらんな……」
「ええっ……」
「俺を目の前にしているとどこから打ち込まれるかとばかり気にしてぜんぜん体が言うことをきいておらぬわ。ほれっ」
「はうっ」
「脇をつついただけでこの体たらくだからな……なにか良い手はないものか」
チョメ殿が前で戦う、というのは難しい。であるならばどうすればよいか。
俺はチョメ殿に合う戦う術はなかったか、過去に戦った剣術使いとの戦いを思い出していた。




