その五十三 その男、とりあえず動く。 その一
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さて、ようやっと第二章の本編です。
「――はっ」
目が覚める。なにか妙な夢を見ていた気がしたが……どういう内容だったかは思い出せない。
「そういえば……」
俺は自分のいる場所を見渡した。
囲炉裏のある小さな部屋。あるのは小さなちゃぶ台と、自分の寝ている布団だけ。
そうだ、思い出した。俺はマサムラ殿の鍛冶工房を間借りしているのだったな。
マサムラ殿は眠っている。どうやらろぐあうと、している状態らしい。この状態ではとりあえず触らないようにとハル殿から言われているのでなにも触れないようにそっと出ていく。
起きた俺はとりあえず外に出る。工房の外はのどかなもので、この間ここで炎の竜巻が上がっていたとは考えられないほどののどかさだった。
「今の時刻は……」
めにゅうがめん、とやらを開いて時刻を確認する。時刻は……辰の刻……いや、今は八時と読むのであったか。
「当世の呼び方を身に着けねばな。ろぉるぷれいと思われては、情報を集めることも叶わぬかもしれぬ」
この時間だと今日はハル殿、デン殿、チョメ殿、マサムラ殿はみんな『りあるの仕事』とやらがあるので居ないのだとか。
その間俺はできることをまずやる。
まずは朝飯……は、この体では必要ないのだったな。
なにも食べていないのに空腹を感じないとは奇妙な体だが、うまさはきちんと感じることができているので便利だと思う。
その後にやるのは素振り。基本を疎かにしてはいけない。
しかし空振りよりももっといいものがある。
俺は慣れぬめにゅうばあを操作してエドの町を選択する。
めにゅうばあを操作して、エドの町に一瞬でやってきた。
「相変わらず慣れぬな、この感覚……」
一瞬でどこかへと行き来ができる、というのはこの煉獄では日常茶飯事なのだという。慣れろと言われても俺は慣れられる気がしない……。
きつねにつままれたような気分が抜けることなく、俺はあるところへ向かった。
「御免。仕事を貰いに来たのだが」
やってきたのは口入れ屋『ジロチョウ』である。
ハル殿とデン殿から聞いたのだが、ここで『くえすと』なる仕事を受けることができるらしい。
終了した時にもらえる金は、俺がもらう小判とは違う、普段使いができる金らしく、暇なら受けるようにとのことであった。
「おう、来たか。なんの仕事を探してるんだ?」
この、人相の悪い30過ぎのキセルを咥えた人物こそ、この口入れ屋の主人である『ジロチョウ』である。ハル殿やデン殿と違い、のんぷれいやーきゃら、とのことらしいのだが……まあ、俺にはわからん。
「ジロチョウ殿。薪割りの仕事をしたいのだが」
「お前さんも好きだねぇ。ほら、いつものところだ、行ってきな」
めにゅうばあがでてきて、『ジロチョウからクエスト「イケダ屋の手伝い・薪割り編」を受注しますか?』と出てくるのではいを選択する。
「いつもかたじけないな」
「いいってこった。ほとんどの奴らは受けるのが居ねえからな」
「鍛錬にもなるし、いいと思うのだがなぁ……。まぁいい。行ってくる」
そうして俺は、旅館であるイケダ屋へと向かうのだった。




