その五十一 その男、決める
なんとびっくり、まさかの16000PV突破です。大感謝しかありませんね。
おかしい……まだ終わらねえのか……!
俺は、迷った。
確かに、俺一人を守るためならば、どこかに入らずとも良いだろう。
だが、今の俺には友がいる。
チョメ殿、デン殿、そしてハル殿。
彼らが危険にさらされた場合、俺はどうできる?
俺は考えていると、パン、と両頬を叩かれた気がした
――何を考えてるんですか、五郎様?
「……お陽?」
「へ?」「おん?」
そうか。
そうだったな。
に、と笑った後に、俺は土方殿に向かい、土下座した。
「申し訳ない。拙者の返答は変わらぬ」
「あぁ? どういうことだテメェ」
土方殿から怒気が立ち上る。
そりゃあそうだろう。
俺以外にも、俺の友を守ろうと言ってくれているのだ。それを蹴り飛ばすような行いだ。
人の親切を無下にするようなものである。
「拙者……いや、俺はたとえ、今回のようにチョメ殿が……いや、ハル殿やデン殿でも変わらぬ。俺の友が窮地に立たされたとしても、俺が駆けつけ、俺が守る」
「できるのか? テメェに」
「できるできないではない。やるのだ」
顔を上げる。
――恐ろしい。
別段表情は変わっておらぬ。だが立ち上る殺気は先程試しであてられたものとは違う。
これが鬼と呼ばれた男の、怒りなのだろう。
心配、親切、それらを無視してでも、俺は言った。
「俺がやる。俺が守る。そう俺が決めた。友を守れずして死ねようか」
「……俺がこの場でそこの嬢ちゃんを斬ってもいいんだぜ?」
「そうならぬように、俺が盾となる」
「裏切られるかもしれねえぞ? それでもか」
「騙されようと、裏切られようとも、見捨てられようとも。俺は友を、大事なものを守る」
泣かせるようなことは、もうできぬのだから。
だからせめて、この煉獄にいる間は大事なものを守りたいと思ったのだ。
土方殿と俺がにらみ合い、その後、土方殿はふうと息をついて。
「いいだろう。それでこそ俺が誘ったやつだ」
「申し訳ない。せっかくの誘いを」
「いや。いいってことだ。第一この場で誘いに乗ってホイホイついてくるような奴だったらマジでたたっ斬ってたぞ」
「なぬぅ!?」
え、なんだそれは断ること前提ではないか!?
「と、トシゾーさん……もしかして、試してました……?」
「ん? まぁな。ま、なんかあったらいつでも頼れや」
悪びれもせずににへらと嘲笑うその姿を見て、なんたる御仁だ、と俺は改めて思った。
鬼というより、悪党かなにかかこの方は……。
「っと、そうだ。おまえたちにも聞いておかねえとな」
「? なにをです?」
放心していた俺に変わって、ハル殿が土方殿に問いかけた。
「【南蛮組】が急激に力をつけた理由としてあげられてるプレイヤーとしてな、白ずくめのやつがあげられてるんだ。なんか知らねえかと思ってな」
「「白ずくめ……!?」」
ハル殿は驚き、俺はその特徴を聞いて立ち上がった。
「それは誠ですか!?」
「ああ。ニュウドウからもそう聞いてる。つっても白ずくめの姿を確認はしてねえ……っておい!?」
俺は慌ててニュウドウ殿のところへ駆けていく。
そんな、まさか。
なにかの間違いであってくれ。
自らの主君が、不正に手を貸していた等……信じられるものかよ!




