その四十七 その男、仰天する
気づけば13500PV……なんともびっくりなお話です。
エンディングシーンにもう少しお付き合いください……。
その場の空気がしん、と静まり返った。
一番最初に口を開いたのは、ハル殿だった。
「え、えーっと、どういう……」
「この姿でいきなり俺を……土方歳三って言うやつってのはいねーんだよ。トシゾー名義で普段はやってるからな。なにモンだテメェ」
「い、いやその、別に怪しいのじゃ」
「黙ってろ。俺はそこのチビに聞いてんだ」
「う……」
ハル殿が押し黙った。
さて、言ったところで信じてくれるかどうか……。
そも土方殿に会ったことがあるのは一度。それもほぼほぼ通りすがりのようなものだ。
それにあの頃の土方殿は今ほど生気に満ち溢れた姿ではなかったし。今のような和装でもなかった。
「黙ってる、ってこたぁハッカーかなにかか? そんでうちに潜り込んで情報を得ようとしてるって魂胆ってところか?」
「……はっかぁ、とやらはわからんが。少なくとも貴殿を外装という気持ちは微塵もない」
「じゃあなんだ?」
「……貴殿を見込んでお話をしよう。すくなくとも、ここにいるハル殿も事情は知っている」
「ちょっ、山本さん」
「ハル殿。この御仁には隠し通せぬ。シラをきったり嘘をついたところで信用を失うのみだ」
すぅ、と息をすい、少し整えた。
それから俺は話した。
俺が東山道にいたこと。
かつての戦で、新政府軍を相手取り、その体を敵の鉄砲に貫かれて絶命したところで、ここに来たということも。
それを聞いたハル殿はぽかん、としていた。土方殿は何も言わずに、そのまま俺を見つめていた。
「……これが、俺の境遇だ。今はウンエイ殿から雇われている身であり、ちぃたぁを探している。ここに来たのは想定外であったし、土方殿と会ったのも想定外であった」
「…………」
土方殿はただ黙って、俺を見つめていた。
ハル殿がなにか声をかけようとしていたが、かける言葉が見つからない様子であった。
……そういえば、ハル殿には俺の詳しい境遇を話しては居なかったか。
「嘘は言っちゃいねぇ……みたいだな」
「! 信じるというのか、この話を!」「嘘でしょ!?」
俺もハル殿も驚いた。このような荒唐無稽な話、御伽噺でもなかなかないだろう。
「ま、お前の腕前と、今までの話しぶりから嘘を言ってるとは思わねぇし、ここで俺に大法螺を吹いたところでお前に得がないのも見えるしな」
「土方殿……」
「ま、それに」
土方殿はニヤリ、と笑った。
さながらそれはガキ大将がいたずらをするかのような、そのような笑い方だと思った。
「俺も似たようなモンでな。つっても、お前のような感じじゃあないんだがな」
「……は?」「え?」
俺たちは自分の言葉を疑った。
土方殿が……自分と似た境遇……?
「ど、どういうことで御座いますか、土方殿!?」
「どうもこうもねぇよ。俺ももってんだよ。前世っつーのかね。土方歳三としての記憶ってのをよ」
土方殿はとんとん、と自分の頭をたたいた。
「ま、俺の場合はこっちに直接ってわけじゃあねえ。きちんと現実で体を持ってるのさ」
「な!?」「嘘!?」
「いやここまでやっておいて嘘言ったって仕方ねえだろ。本当だぜ」
「つっても」と続けた言葉に、俺はさらに仰天することとなる。
「俺以外にもそういうのはいるし、それにどうやら、お前みたいなのもちょこちょこと見かけたって話も上がってるしな」
「「え……えええええええええええええ!?」」




