その三十八 その男、防戦一方。
なんとびっくり8000PV突破。みなさんの応援でがんばれています。大感謝です。
思い知れ、と啖呵をを切ったは良いのだが。
(正直言って、かなり分が悪いぞ)
まず、トッキーの一撃が重い。
一発一発がまるで力士の張り手の如き重さだ。
受けるだけで体がぎしり、と軋んでしまう。もっとも煉獄故にそこまで体に反映されていないのが救いか……。
これはおそらくだが、技術ではなく、純粋なる力の重さ。
それを一発一発力を反らし、逃しを行い、なんとかして受けるのが今は精一杯だ。
万一これが背中に背負っているチョメ殿に当たろうものなら、致命傷は避けられぬ。もちろん、俺もだが。
しかしチョメ殿をそのままにしておくのも非常にまずい。
後ろに控えている【南蛮組】の者がチョメ殿に何をするのか分かったものではないからだ。
今のところ一箇所しか無い出入り口に居座り、俺を逃すまいと立っている。うかつに逃げようものなら挟み撃ちになってしまうだろう。流石に先程のように草薙を連発して倒せるような相手ではなさそうだ。
それに万一チョメ殿人質に捕らえられたらば、俺はやられてしまうだろう。
チョメ殿を犠牲にしてまでも、俺はやつに勝とうとは思わぬ。
二度も見捨てるような真似は武士として恥ずべきことだ。
「そら行くぞオラァ!!」
「ぐっ!」
などと考えているとトッキーがこちらにどん、と突っ込んでくる。
がぎん、とトッキーの刀を受ける。
その後にごう、と突風が吹き荒れた。なんということか。振った刃の圧で防風が起きるか!
「どうしたどうしたァ? 受けるだけが精一杯かァ? あぁ?」
「この……!」
蹴りを放ち、無理やりに隙を作る……いや駄目だ! 体格が違いすぎる!
今の俺の姿では膝を崩すしかできぬし、そもそも足まで届かぬ!
かといって押すのでは力が違いすぎるし……くっ、万事休すか!
そう思っているとトッキー殿がふ、と離れ、また先程の構えをした。
刀を肩に担ぎ、左手を前にする。
「けっ、それじゃあちょいと強めにするかァ!」
何だ? あの構えになにかあるのか?
ごう、と突撃してきた所にあわせ、胴を狙う。
が、これは読まれる。鮫皮(※刀の握る部分の事。柄の部分の装飾)で防がれる。
逆に刀を絡ませられ、上に打ち上げられた。
「おら貰ったァ!」
「ぬぅっ!」
「きゃあああああああ!?」
俺の背にはチョメ殿もいるはずなのだが、それも上げるとはどのような力を持っているのだコヤツ!?
おまけに避けることのできぬ空では落ちるところを狙われてしまう……。
「そら死ねやァ! 《空牙》!」
「なにィ!?」
空牙と呼ばれたソレは、宙を走る突きであった。
トッキーが俺に向かって刀を突くと、宙に槍のようなものが現れ、俺に一直線に向かってくるではないか!
「う、おおおお!?」
空中で体をひねる……いや、チョメ殿に当たってしまう!
ならばこうか!
「だやぁっ!」
槍のようなソレを蹴り、空で空中転換をして、地面に降り立つ。
危ない、なんだアレは。飛び道具まで使ってくるのかトッキーは!
「貴様ァ! 飛び道具を扱うとはやるではないか!」




