その三十七 その男、一度斬りあう。
7600PVに大感謝です。
ようやっとやってきましたが……さて、うまく表現できるだろうか。
何が起きたのでしょう。
気持ち悪さをなんとか振り払いつつ、私は今起こったことを思い返していました。
山本さんが「草薙」と言いながら相手に斬り込んでいったかと思ったら、急回転して周囲を切り払っていました。
それが、一度ではなく連続で2回、3回と続いて……。
10回くらい合計で回転したんでしょうか。おかげで目がまだぐるぐるしています。
ですけど、【南蛮組】のメンバーをあらかた片付けてしまい、装備品を残して彼らは消えていってしまいます。
青色のエフェクトを出して、パリーンと音がしたと思ったら装備品が辺りに散らばっています。
装備品だらけの【南蛮組】が屯していた境内に残っているのは、ギルマスのトッキーさんとサブギルマスのニュウドウさんだけです。
目の前にいるトッキーさんは山本さんを見ながら怖い顔をしています。
「て、めぇ、山本ぉ……! よくもやりやがったな!」
「ううっ……ふう……それはこちらの方だ、トッキー殿。いやトッキー。貴様どれほどの仕打ちをチョメ殿にしてきた」
「あ? 初心者をいたぶって何が悪いってんだ」
「右も左も分からぬ者を、弱者をいたぶるなど男の、ましてや人間のして良いことではない!」
刀を構えて山本さんはトッキーさんに言いました。
「ケッ! それを言うならお前だってそうだろうがよ! 右も左も分からねえそいつをほっぽってどっかいっちまったんだからな!」
「そうだな。それについては言い訳のしようもない事実だ」
「なら同じじゃねえか! 俺も、お前も!」
「違う!」
ぶん、と刀を払い、トッキーさんに走っていきます。
「確かに俺はチョメ殿を一度見放したようなものだ! せっかく『一緒にゆこう』と、勇気をもって俺に声をかけてくれた! それを俺は突き放してどこかに行ってしまった! それは認めよう! だからこそ俺はもう見放さぬ!」
ごう、と刀をトッキーさんに振りかぶり、思い切り斬りつけていきます。
しかしトッキーさんも刀を抜いて、その斬り込みを防いでしまいました。
「どうだか! できんのかオメーによぉ! オメーだってちょっとつえー雑魚みてえなもんだろうが!」
「貴様ら畜生よりはマシと思うさ!」
「抜かせやゴラァ!」
鍔迫り合いから一度離れて、山本さんは刀を前に向けます。
対するギルマスは自身と同じくらいの刀を片手で持ち上げて、肩にかついでいます。
「山本ぉ。テメーは俺を怒らせた。テメーの装備を剥ぎ取って、二度と逆らえねえようにしてやらあ!」
「抜かせ外道! 貴様らこそチョメ殿にしたことの痛みを思い知れ!」




