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幕末武士が転生したら和風VRMMOの世界だった件  作者: 嫁葉羽華流
第一章 ~その男、剛力なり~
30/64

その三十 その男、女児巫女の声を聞く。

5000PVには……まだ……届かずです(現在4900PV)。

毎度見てくださり、ありがとうございます。

鍛冶屋に通じる道から出てきたのは、それはそれは大きい体躯の大男だった。


武僧のような出で立ちをしたその男はゆっくりとした足取りで……しかしその一歩は俺の今の俺の五歩はあるだろう幅で……こちらへとやってきた。


「おぉお、トッキぃぃ。すまねえぇなぁ、遅れちまってよぉ」

「おせえよニュウドウ! 時間はしっかり守れってあれほど言ってんだろ!」

「だぁどもぉ、オぉラんところはぁ……」


なにか間延びした喋り方をするニュウドウと名乗る者が【南蛮組】の首領……トッキー殿と話している。

やれ「りあるが忙しい」だとか「時間が守れなきゃれいどの参戦権を」とか話しているが、俺にはちんぷんかんぷんだった。

まあいい、その間にちょっと聞いてみるとしよう。


「巫女殿。最初に会ったときに置いてけぼりにして申し訳なんだ」

「い、いえ。私も止められませんでしたし……」

「いや、このままでは俺の気が収まらぬ。なにか困ったことがあれば、遠慮なく言ってくれ。この山本五郎左衛門惟喬。いついかなる時も、そなたを助けに行こう」

「あ、ありがとう、ございますね」


やはりうつむきがちだ。なにかあったのだろうか。

……む?


「ちっ、まあいい。オラ、行くぞお前ら! 今度こそ【新選組】のやつらをギャフンと言わせてやるからな!」

「トッキぃぃ。その言い方はぁ古いぞぉ」

「るっせぇ!」


どやどやと騒ぎながらマサムラ殿の工房から出ていく【南蛮組】の者共。

それについていくようにして、巫女殿がせっせと歩いていく。

さり際にぺこっとお辞儀をしていったのが、印象的だったが……。


せわしい者たちだったな……」

「というか山本さん、あのロリっ子巫女ちゃんと知り合いだったの?」

「ろり……? まぁ、最初にエドに入った時にうてな。くえすと? を一緒にしないかと誘われたのだが……その」

「私を見つけて一目散に走っていった、と」

「め、面目ない。……それにしてもあの巫女殿と【南蛮組】とやらは……似つかわしくないな」

「やっぱりそう思う? 私もギルドの名前を聞くまでいい噂を聞いてないからさ」

「どのような奴らなのだ?」

「チンピラみたいな奴らさァ」


工房からマサムラ殿が出てくる。若干その顔は不機嫌そうにしていた。


「ユーザーの店に行ッて、通報スレスレの嫌がらせ行為をしたり、レイドボス戦じャあ他のプレイヤーの邪魔をして上位を取ろうとしたり、気に入らないプレイヤーをトレイン行為で潰して、その装備を剥ぎ取ッていく……そんな奴らさァ」

「ううむ……やっている事の殆どは理解できぬが……おおよそやくざ者と変わりないではないか」

「ん。そしてそのアタマのトッキー。こいつがまたつええのさァ。【新選組】の局長と打ち合ッて互角ッていう話だしねェ」

「あの新選組の局長とか……」


ううむ、かなりの凄腕と思っていたが、よもやそこまでか。

いや、それよりも気になるのは巫女殿だ。


「『なら助けてくださいよ』、か……」


小声であまり聞き取れなかったが……巫女殿はたしかに助けを求めていた。


って、あ。そうだ。


「巫女殿の名前を聞きそびれていたな……」


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