その二十二 その男、成長について教わる。
「うーむ……どういうことなのだろうな」
「採掘場所はここで合ってるはずなんスけどねぇ……」
くまなくさいくつぽいんととやらを回り、つるはしを振るって鉱石や瑪瑙、紅玉を取ることはできたが、肝心の織晴鉱がまるで採れない。
「奥深くに行かねば採れぬのだろうか」
「それなら前もって言ってると思うんスけどねぇ……あ!」
デン殿はなにかに気づいたようだった。
「どうしたデン殿?」
「もしかしてッスけど、織晴鉱は採取するのにステータスかスキルが必要な素材かもしれねッス」
「どういう事だ?」
「ヤマトオンラインじゃ一部の採取物は一定の能力値がないと採れないんス。ひょっとしたら織晴鉱もその一つかもしれねえッス……」
「ふぅむ……いや、しかしだとすればおかしい話ではないか」
「え?」
「マサムラ殿はここにあると言ったのだ。そのような一部の能力が高くないと採れぬとは言ってはいないぞ?」
「そーっすよねぇ……あーでも、もしかしたら……」
「ぬ? なんだ?」
「もしかしたらッスけど……姉貴は山本センセが高ATK型ビルドをしてると思ったんじゃないッスか?」
「あた……なんだ?」
「ATK型ビルド……つまり成長方針ッスよ。山本センセのあの一撃を見て、織晴鉱も採れると思ったんじゃないッスか?」
「なるほど! つまり先程と同じことを採掘ぽいんととやらですればよいということか!」
「そういうことッスよきっと!」
「ようし、そうと決まればやるぞっ」
ということで、喜び勇んで手頃な採掘ぽいんとに向かい、先程と同じようにつるはしを振り下ろした。すると今までとは違う色の鉱石が出てきた。
拾い上げると、うぃんどうに取得したものが表示された。
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織晴鉱 レア度:S
鉄鉱石が幾重にも重なり、日にかざすことで光を蓄積し、より硬くなる性質を持つ、時折採掘できるとされる珍しい鉱石。
そもそも掘るためには剛力無双の持ち主でなければ採れないとされる。
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「おお! 出たぞ!」
「マジっすか! やったッスよ!」
「しかし剛力無双とはおかしな話よな……俺はそんなあたっくとやらには振っていないのだが……」
「……もしかして山本センセってスキル無振り縛りしてるんスか?」
「む? まぁそんなものだろう。これも修行。自己鍛錬だ」
「お、おぉ……ストイックっすね……」
「さて、掘れる方法も見つかったことだし、どんどん掘るぞ」
「うッス! 次は自分がやるッス!」
といってデン殿が挑戦するが、なかなか掘れない。
「ぬぅ、掘れねえッス……やっぱりATKに振らなきゃだめなんスかねぇ……」
そんな事を言っているが、デン殿を見ていて気づいたことがある。
「デン殿。よろしいか?」
「なんスか?」




