その二十 ハル、マサ姉に相談する。その2
いつの間にか2800PVありがとうございます。
「友達……」
「あのちんちくりん、今はお前さんと仲良くしたいッて思ッてるンだ。悪いやつじャあないッてことくらいはわかるだろゥ?」
「それは……まぁ。でもその、まだ付き合いは浅いというか……」
「そりャあ、聞いた限りじャまだ一日二日の間柄だァ。まだまだ様子見ッてェところだろ? だから結論をつけるのは早いと思うわけだ」
「でも……」
「そこで『友達』の間柄ッてわけさァ。付かず離れず、駄目なこととか、相手がしてきて嫌なことがあッたら、止めてやりャあいいんだよ」
「リアルのダチにもそうしてやってんだろォ?」って促してくれるマサ姉。たしかにそうだけど……。
「それに、犯罪行為……つか、お前さんが本当にやばいと思ッた時のための手段もあるんだ。本当にいざとなッたら使えばいい。――だがな、本当にいざとなッたら、の話だ」
「本当にいざとなったら……?」
「おお。宗介が渡してくれたその、ちんちくりんを消去できるボタン。言ってみればそのボタンひとつであのちんちくりんを殺すことができるボタンッてェわけだ」
山本さんを、殺せるボタン……?
「そ、そんなまさか……」
「まさかと言えねえだろィ。宗介の考えが本当なら、あのちんちくりんはインターネットゴーストだ。一度は宗介に拾われたんだろうが、次はないッてこッた。それを宗介が一日中監視するわけにもいかねえだろうし、だからお前さんに渡したッてェことなんだろうなァ……趣味が悪いことしやがるぜ……」
今さっきまで居た人を、殺せるボタン……。
泣いたり笑ったり真剣な表情をしている山本さんが、突然倒れてしまう……。
そう思ったら、途端に恐ろしくなって、そのボタンをインベントリから消そうとした。
けど、それは『貴重品』扱いになっていて消えなかった。
「ど、どうしようマサ姉……! こ、こんなもの私……」
「貴重品扱いになッてたら、お前さんが持ッてるしかねえやな。諦めな」
「そんな……」
「でもハル。お前さんはちんちくりんを殺そうとかカケラも思ッちャいねえんだろィ?」
「あ、当たり前だよ! 一度は助けてもらった人を、そんな……」
「だッたらそれでいいんだよ。そのボタンは本当のまさかの事態が起きた時だけ。アタシからは、そいつは気軽に押せるもんじャあないッてことを伝えたかったのさ」
「それは……」
「分かッてる、とは言わせないよ。その顔だと一回脅しの道具として使ッたね?」
「う……」
なんで分かるんだろうね……? 確かに……使ってました。はい。
抱きつきかけられた時に。思わず脅しとして……。
バツが悪そうな顔をしてると思ってると、マサ姉はため息をつきながら、
「悪いとは言わないよォ? だけどそいつはあのちんちくりんの生命線の一つだ。無闇矢鱈につかッていいもんじャアないッてことを、もう一度考えときなッてこと」
「……でも、こんな物持ってたら、友達なんて……」
いつでも山本さんを殺せるんだ、と思いながら、友達みたいに接する……そんな事できる自信なんてないよ……?
もしなにかのはずみでボタンを押してしまったら……。そう考えていたら、マサ姉はあっけらかんと、
「そこはアレだ。忘れちまえばいいさ」
「そんな事……」
「人間ッてのは都合の悪いことは忘れちまうようにできててねェ。ちょうど貴重品入れに入ッてるし、そうそう開くところじャアないだろ? ならそれでいいんじャアないかィ? やたらと使っていいもんじャアなし。なら忘れて付き合ッちまえばいいさ」
「……できるかなぁ」
「できるさ。お前さんなら。お前は賢い子だからねェ。宗介もそう思って渡したんだろ」
「あの馬鹿兄がそこまで考えてるとは思えないなぁ……」
「違いない」
私とマサ姉は揃って笑っていた。
その時ちょうど、来客がやってきた。
とりあえずこんな感じにしてみました……なんとかまとめることができた……かなぁ?




