その十九 ハル、マサ姉に相談する。
今回はハルちゃん視点。山本さんとどうつきあえばいいのかというお悩みです。
「さァて、ハルやい。説明してもらおうか」
「何を?」
首根っこ掴まれて私はマサ姉と再び工房の中で話していた。
「とぼけんじャあないよ。ありャあなんだい?」
「何って、プレイヤーでしょ?」
「……お前は聡い子だから、アタシが何をいいたいのかッてことくらいはわかるだろ? あの山本とかいう子のことさ」
「あー……」
まさかマサ姉が見抜くとは!
かといってマサ姉に話すわけにもいかないし……。
山本さんがひょっとしたらインターネットゴーストだってこと話しても信じてくれないだろうし……!
あーもーあんのバカ兄、とんでもないものを押し付けてもおおお!
「そ、そうかなぁ? 普通のプレイヤーだと思うんだけど?」
「ほーん? 普通のプレイヤー、ねェ?」
カリカリと頬を掻いて、こちらをニヤニヤ見つめている。
あっ、嘘だってバレてる?
「ハル。お前さん嘘をついてるね? ちッちャな頃から変わってない」
「そ、そんな事ないよぉ?」
「そうかい。……アタシにも話せない内容ッてなると、こりャあ宗介が関わッてるね?」
なんで分かるのさだから!?
「また図星か。もう観念して喋ッちまいな。それとも、アタシにも話せない内容なのかい?」
「うぐぅ……分かったよ……でも、他の人には他言無用でお願いね?」
「任せな」
ということで、私はマサ姉にこれまであったことを伝えた。
それをマサ姉はただじっと聞いてくれていた。
「なるほどねェ……あの山本とかいうちんちくりんがひょッとしたらインターネットゴーストかもしれないッてことか」
「そして戦闘では達人級の腕前だよ。上位ランカーにも匹敵するくらいの強さだから」
「なァるほど。上位ランカー陣は偏屈で変人ばッかりだからねェ。それになんといッたッていちプレイヤーだ。運営が頼むわけにもいかないだろうしねェ」
『上位ランカー』と呼ばれる人物はとにかく強い。
そう呼ばれるようになったのはヤマトオンライン初の懸賞金が出るバトルトーナメントで、圧倒的な戦闘を見せたからだ。
リアルでは名のある武術家だとか、あるいは普通のゲーム好きの学生だとか、そんな人たちをひっくるめてそう呼んでいた。
ただし、彼らは総じて変な人である。そんな彼らに何かを頼むなんて、そうそうできることではないだろうと思う。
「んで、インターネットゴーストで、しかも腕前が上位ランカーのやつが転がり込んできた、と」
「お兄ちゃんもチーターはどうにかしたがっていたから、正直山本さんが来てくれたのは良かったんだよ、でも……」
「その調子だと、あのちんちくりんにどう接すればいいかわかんねえ、って顔だな?」
「うん……」
「んー……まァ、難しいよなァ。元はお前を自分の奥さんと勘違いしてて、そんでもッて今ではなんだかんだと一緒にいるッてえ流れだからなァ」
「どうすればいいんだろうって思ってさ……」
「んー……そうだなァ……」
マサ姉は頬杖をついてこちらを見て、
「友達、ッて思えばいいんじャあねえかな?」




