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『キングダム・オブ・ヘブン』映画上は全く関係ないのに上杉謙信と大谷吉継ファン垂涎の作品! あと、ど迫力の攻城戦!

※ちょっとネタバレあり。

 城塞都市包囲戦の映画を見たい! というすごく安易な理由でこれを選んだけれど、別のところで夢中になってしまった作品。

 上杉謙信と大谷吉継が和平を結んでいたのに、大谷吉継が亡くなって織田信長が王に着任。

 でもうっかり本能寺で明智光秀にやられて光秀の天下に。

 そして明智光秀に戦をふっかけられた上杉謙信がやむなく攻め落とす、というif日本の歴史が脳内で展開されました。


 ……本当の話は12世紀、第三回十字軍の直前に起こったエルサレム包囲戦の話。

 歴史の教科書では一ページ(あるいは数行!)でまとめられるけれど、実は第一回十字軍でエルサレム王国ができてから、およそ百年の平和があり、ムスリム諸国と少々の緊張関係はありながらも、比較的対話可能な関係が出来上がっていたというのが新鮮でした。

 主人公も戦うときに「祖先のつけが回ってきた」的なことを言っていて、そりゃあ百年も経ってれば孫子の代になっているから、最初のエルサレム奪還なんて他人事みたいな感じになっているのが面白いw


 特筆すべきは映画のヴィランである、サラディンのかっこよさ!

 全ての言動に余裕があり、キリスト教との共存まで考えた上で致し方なく戦いに挑むおとこ

 しかも敵に塩ならぬ医者送ってる! 上杉謙信がダブって見える!

 前にBBCの歴史番組流し見してたときに、自国の英雄も平気で斬って捨てるタイプの番組にも関わらず、サラディンだけやたら持ち上げてて疑問に思っていたのですが……本当に聖人だったというオチでした。

 十字軍はムスリムを人扱いせず皆殺しにしてたのに、エルサレム戦での捕虜を虐殺せず送り返すとか、そりゃあキリスト教圏内でも人気出るはず。


 あと、ハンセン病を患いながらも、和平に尽力したエルサレム王ボードゥアン4世の高潔さ!

 大谷吉継か! いや、大谷吉継のほうが後発にもほどがあるけど、知ったのはこっちが先だしなんかもうイメージ的にキャラ被りまくっているので、大谷吉継ファンとして応援してました。

 一旦戦争になれば負けることはわかっている、しかし戦をする覚悟はあるけれど、できるだけ和平の道を探ろうという出来すぎた人間性がそっくり。ハンセン病で仮面を被っているところも。

 道半ばで病に倒れてしまうのですが、その際絶対にぼかすだろうと思っていた顔を、ばっちり見せてくれました。

 精神が気高いと崩れた顔でも美しく見える……いや、崩れた顔だからこそ、一層高潔な魂に見える……やっぱり大谷吉継か!


 なお、この映画でもテンプル騎士団は終始悪役でした。

 ……テンプル騎士団という名の高利貸しだったからってそこまで悪役にしなくてもとも思うけれど、アサシンクリードでもバリバリ悪役だし、もともとその時代のルノーさんって人が史実でもダメダメな人だったらしいし。


 そして、終盤にいよいよ怒濤のエルサレム包囲戦!

 地平線まで埋め尽くす黒蟻のような軍隊!

 攻城櫓! 投石器! 破城槌! バリスタ!

 なんというわくわくする響き!


 ただディレクターズカットだったため三時間……。

 いつ攻防戦が始まるんだ……と期待していたら本当に終盤まで始まらなかった。

 しかしそこそこダレずに見れたのは構成がよい証。

 あと上杉と大谷ならぬ、サラディンとボードゥアン4世の存在感!


 オーランド・ブルーム扮する主人公の優しさからの戦争誘発や、いざ包囲戦になってからの徹底抗戦もよかったけど、正直上のサラディンとエルサレム王のかっこよさに圧倒されてイマイチ影が薄かった……いや、包囲戦になってからはリーダーとして頑張ってたけど、やっぱり主人公なのに名前を覚えていない……。


 映画の最後あたりで、サラディンが主人公に「エルサレムに価値があるか?」と聞かれて「ない(Nothing)」と言って、それから「だが『全て(Everything)』だ」と答えたシーンはぐっときました!

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