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『Viva!公務員』ヨーロッパ中からボロクソにけなされているイタリア人が、ついに自虐に走りはじめたほっこりコメディー!

※少しネタバレあり

 主にヨーロッパ映画で散々な扱われ方をしているイタリア人。

 が、その本人たちすら自虐に走ってしまい、逆手にとって(?)皮肉ったコメディーにしてしまったイタリア映画を見つけました!

 ブラックすぎて色々大丈夫かなと思ったくらい、黒い笑いどころが多かったです!


 主人公は、県職員のハゲで怠惰でマザコンなおっさん……字面にしたら一層きついw

 しかし最後には、ブルース・ウィリスの次くらいにかっこよく見えてしまうという不思議な現象が起きるので大丈夫! ラストまでこの設定のまま行ったらどうしようかと思った!


 映画の最初3分で、なぜか主人公がアフリカの奥地にいて、人食い部族に捕まりますw

「白人は信用できない。心がないからな」という酋長に向かってしゃあしゃあと「心がないのはミラノ人だけだよ」と言う主人公……案の定南部の人でしたw 新しい都市間での自虐!


 そして人食い部族から逃れるために、自分の身の上話を始める主人公。

 狩猟許可の判子をつくだけの仕事をこなし、無料で狩った獲物をもらい、明らかに公務員狙いの彼女を持ち、悠々自適の毎日を送っていた主人公に、まさかの行政改革の波が押し寄せる!

 イタリアの公務員は、日本の比じゃなく優遇されてるようです……そして、完全に腐敗している様子がうかがえるw


 そんなこんなで、ハンコついてるだけの主人公はあえなく早期退職候補に。

 恋人にはさっさと見切りをつけられ、左遷されて自主退職待ちになってしまうのだが……。

 国境沿い、山岳地帯など僻地に飛ばされても、のらりくらりと怠けながらそれなりに楽しむ主人公。

 早く退職させたい人事担当は、最後の手段として、主人公を北極基地へ送り込む!

 ……まあ、極地はどこの国のものでもないですが、それってイタリアの公務員としてOKなんだろうか……。

 細かいことはさておき、極地でも生き生きと公務員ライフを満喫し、まさかの北欧人の恋人まで作ってしまう主人公。


 意識高い系の北欧に来てしまって戸惑うイタリア人の様子がまたおかしいw

 クラクションを押さなくても前の車が動くことに感動したり、恋人がまさかの三人の子持ち(父親と宗教はそれぞれ別)でビビったりw

 北欧のイタリアンレストランで30分以上茹でられたパスタを出され、看板を壊して「二度とイタリアを名乗るな、このバイキングめ!」と罵っている場面で大笑いしましたw


 しかし、早く根をあげて辞めてくれない彼に、人事も怒り心頭。

「極地よりもっと危険な場所はどこ?」と大騒ぎするも、部下の冷静な一言が遮ります。

「私の生まれ故郷です」

「どこなの?」

「カラブリア州です」

 また自虐だよ! 極地より危険ってカラブリア州どれだけ治安悪いんだよ!


 その後、紆余曲折あってイタリアの怠惰な公務員や障害年金の不正受給についてミュージカル調に明るく楽しく歌ったりしつつ、やっとなぜ主人公がアフリカの奥地にいるかがわかります。

 最後まで公務員にしがみつく主人公と、自由で過激なほど進歩的な北欧の奥さんが巻き起こすトラブルも、最後はちゃんと感動的にまとめられる……退職させようとしていた人事担当にすらちょっとしたフォローをしてくるのが小粋w

 まあ、この人は悪役のように見えて普通に仕事してただけだものなw


 とにかくオール自虐なわりに、主人公もイタリア自体も憎めない、楽しい映画になっていました!

 ……ただし、本気で公務員改革が必要だったんだろうなということは伝わってきたw

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