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『ミニミニ大作戦』2003年 爽快なカーチェイスが売りのハリウッド映画!……なんだけど、何かどこかに違和感が?

※少しネタバレあり

 開幕からヴェネツィアの細い運河をモーターボートでカーチェイスするさまに度肝を抜かれる!

 いやカーじゃないけれど! ボートチェイスかな?

 車が入れないヴェネツィアはパトカーも船なのか、と実感。

 カーじゃないけれど! パトロールシップ?


 これもイタリアが一部舞台になっているアメリカ映画。

 最初の10分と最後の30秒くらいに水の都ヴェネツィアが出てきます。

 ただ、その他の舞台はずっとロスなので、イタリア要素がそんなに入ってなかった……ということを書くはずでした……違和感の正体に気づくまでは。


 ストーリーは一本道。

 ヴェネツィアで金塊を盗んだ窃盗団。

 だが、裏切り者が出て金塊を総取りされてしまう。

 泥棒の生き残り達は、死んだ仲間の娘を巻き込んで、ロスで金塊を取り戻す!


 話的にはそれだけなのにスピーディーなアクションで飽きさせない!

 泥棒のプロフェッショナル集団がルパン三世のような雰囲気で、ときにコミカルに、ときにシリアスに金塊を盗み出し、ミニ・クーパーでカーチェイスを繰り広げます。

 ヒューマンドラマを選ぶことが多かった今日この頃、爽快なカーチェイスにテンションが上がりました!




 ただ見終わった後、一つ疑問が。

 なぜメインのカーチェイスがアメリカにとっては外車のミニ・クーパーなのか? という。


 調べてみたら、これは1969年製作の同名のイギリス映画をアメリカでリメイクしたものとのこと。

 どおりで! すごく納得!


 1969年のイギリス版は見ていないけれど、大筋はリメイク同様、盗難した金塊をミニに積んで走り回る内容だそう。

 ただし、カーチェイスするのはロスではなくイタリアのトリノ。

 確かに細い道の多いヨーロッパなら、ミニの小さな車体や機動性が生かせる!

 リメイクでも一応、小ささがフィーチャーされていたけれど、計画が変更されたりしたので、ミニのよさをそこまで生かせてませんでした。


 ミスター・ビーンもご愛用のミニは、ドイツのBMWに買収されるまではイギリス産の国民的大衆車。

 そして1969年当時のトリノには『カリオストロの城』でルパンが乗っていた車でおなじみのFIAT本社があり、実質イタリアの自動車工業の拠点。

 つまり、初代イギリス版は「イタリアの車よりイギリスの車がすごいよ!」というメッセージ入りの作品! よくトリノもロケを許可したレベルw

 それが面白かったのでハリウッドがリメイクしたところ、「アメリカ人が、ロスでドイツ車に乗ってイタリアで起きた事件の借りを返す」という、ミニを使う意義がふわっとした作品が誕生してしまいました、というオチ。


 なお、新旧どっちにしろイタリアの扱いはやっぱりひどいですw

 最初、なぜこれが検索に引っかかったのかわからず……てっきり10分程度しか登場しないヴェネツィアのせいだと思ってました。

 正解は、原題が『The Italian Job』だったから。

 主人公の中にイタリア人がいたのかな? と思ったら、「The Italian Job」は「真っ当でない方法で手に入れること」というスラングだそうですw なんということでしょうw

 そして、イギリス版で主人公達を追うのはイタリアの警察で、もちろん捕まえられません。


 ここで初代イギリス版のメッセージをもう一度要約すると、「俺たち泥棒! イギリス車のミニは最速! イタリア人って仕事も遅いし車も遅いなw」となります!

 ……ロケ地を貸すイタリアの器が果てしなく大きいw


 アメリカ版は同じ原題ながら、「俺たち泥棒! イタリアで取引されていた金塊を奪う作戦なので、コードネームがイタリアン・ジョブ!」というふわっとした感じに。

 ヴェネツィアは街全体が世界遺産なので撮影許可の申請に苦労したそうですが、最終的にはロケ地を貸すイタリアなのでしたw

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