『プロデューサーズ』(2005)天才による全力の悪ふざけミュージカル映画!
※ネタバレあり
一言で言うと、ザ・脳天気なおバカミュージカル映画!
……なのは確かなんだけど、ものすごく緻密にバカやってる作品!
ミュージカル映画なので、歌が素晴らしいのは当然かもしれないけれど、それでもここまで全曲聞きどころのあるものは少ないんじゃないかなと思います。歌詞は最低だけどw
私が観たのはリメイクで一番新しいものですが、最初の映画公開が1968年というのがまたすごい……
面白さが色褪せなさすぎる!
あらすじをまとめると、主人公は若い頃ヒットを飛ばしていたブロードウェイのミュージカルプロデューサー。
最近は駄作続きで倒産目前。
ならば、わざと低コストで最低なミュージカルを作り、粉飾決算して資金と売り上げを持ち逃げして高飛びしよう、と二人組のオヤジが頑張る話。
随所に光る毒舌と下ネタ、ナチネタ、オカマネタとまさかのタブーネタや悪趣味のラッシュ。
めちゃくちゃ大コケミュージカルのために、超ナチシンパが書いた最低の脚本を起用!
センスが恐ろしく悪いオカマさんを演出家として起用!
そして最低限の舞台用資金集めはまさかのシニア系恋愛詐欺!
特にナチネタ部分は、メル・ブルックス監督がユダヤ人じゃなかったら絶対に無理でしょうw
簀巻きにされて海に沈められても納得できるw
しかし、そんな大コケする要素を詰め込んだ封切られたミュージカル『ヒトラーの春』。
あまりに悪趣味な内容に観客は最初激怒するが……ちょっとした事故によりオネエ系のヒトラーが出てきてしまった時点で大爆笑、まさかの大ヒット作に。
……そして青ざめるプロデューサーの二人。
劇中劇のシーンだけでなく、普通のシーンもダンスと歌で軽快に進むさまはまさにコメディーの王様!
ブロードウェイ映画は楽で作業しつつ、ながら見できるからいいな、と思っていたけれど、面白すぎるダンスシーンが多くてちょっとながら見じゃなかった。
最後はブルースブラザーズが見たくなりました。
こんなに下らない内容なのに、めっちゃくちゃ楽しくて何より歌が全部素晴らしい。
2001年ミュージカル版がトニー賞を総なめしたのもやむなし。
そもそも「ブロードウェイショーをわざと大コケさせて資金持ち逃げしようぜ!」というブラックな動機から始まるのに、歌が素晴らしすぎ、ブロードウェイへの愛が溢れすぎていて困るw
スタッフロールの最後の最後まで観客を楽しませるサービス精神は見習いたいものです。
……何年か前に『スペース☆ダンディー』みたときにも同じ感想だった気がします。
どうも私は天才による全力の悪ふざけが好きなようだw