『バチカンで逢いましょう』 おばあちゃん版『ローマの休日』? いやいや、『そのババア、アグレッシブにつき』!
※ネタバレあり
今度はドイツ人から見た、ローマが舞台の物語。
キャッチコピーには「いま、おばあちゃんのローマの休日が始まる」と書いてあるけれど……確かにオマージュシーンは沢山あったが、そんなにほんわかした主人公じゃなかった!
ローマへの家族旅行を楽しみにしているカナダ在住ドイツ系のおばあちゃんが主人公。
敬虔なカトリック教徒らしく、とりわけ法皇との謁見が楽しみで仕方ない様子。
しかし家族の予定が合わず、旅行は中止に。
でも、おばあちゃんは諦めきれず、ローマに住む孫娘を頼りに単身フライアウェイ!
おばあちゃんが大変だ! ……と家族は大騒ぎしているけれど、正直見ているこっちは安心感しかないです。
なぜなら、おばあちゃん役が『バグダッド・カフェ』の太ったおばちゃんことマリアンネ・ゼーゲブレヒトさんだから。
砂漠のハイウェイに無一文で放り出されても余裕で生きていけるタフなおばちゃんを知っているだけに、孫を訪ねて都市部に行ったところでどうということもないと思ってしまうw
しかしこのおばあちゃん、予想よりもアグレッシブなことを次々としでかしてくれます。
法皇との謁見は意外と早く叶うと思いきや、手違いで法皇の顔面に唐辛子スプレーをかけて逮捕されたり、レストランの料理が不味いことにキレて厨房に乗り込み、自ら料理を作り出したりと、わりとやりたい放題!
ローマで子守をしていると言っていた孫娘は、実際はロックシンガーと同棲中。
そのパンクロックな部屋をバグダッドカフェのように勝手に掃除!
そして壁に書かれたヌードアートのアレな部分を全部法皇の写真で隠すという双方にとっての暴挙に出ますw
敬虔なカトリック設定なのに法皇をモザイクがわりに使って大丈夫だろうかw
そして顔に唐辛子スプレーをかけてしまったにも関わらず、今度は偽装結婚までして法皇に祝福をもらいに逢いにいく……そこまでおばあちゃんを駆り立てるものは一体なんなのか! というのは後半でわかります。ここまで、やたらと軽かっただけに結構びっくりする重めな理由。
というか、法皇にスプレーをかけた時点でバチカン出禁にした方がいいと思うけれど、そこは映画なので警備はザルでしたw
なお、イタリア人の描写に関しては中盤までひどいですw
地味なところだけど、バチカンで賄賂渡してたところがツボでした。やっぱり賄賂のイメージなのかw
ただ、イタリア人の愛に対するお気軽さを貶しつつ、ラストではちゃんと真面目に持ち上げているのが律儀。
見終わった後楽しさが残る映画だったけれど、やっぱりおばあちゃんアグレッシブすぎ!
普通なら二、三回は捕まってる状況!




