『マジカル・ガール』 誰かこのパパにコスプレ衣装の相場を教えてあげて!
※最重要ネタバレなし
スペイン映画なのに、開始数分で日本語の歌謡曲に合わせて踊る女の子が出てきます。
日本のアニメに出てくる魔法少女に憧れる女の子が主人公……と思ったら、その父が主人公でした。
ビターエンド・魔法少女に憧れる女の子・不治の病の3セットなのは最初からわかっていたので、多分女の子が病気で亡くなるんだろうと覚悟していたけれど……まさかの展開が多すぎて、わけがわからないよ!
ただ監督が『魔法少女まどか☆マギカ』のファンということは伝わってきました!
そして検索サイトが『RAMPO!』だったり、重要な施設に黒蜥蜴マークが付いていたり、ちょいちょい江戸川乱歩も挟んでくる感じ。
とにかく、魔法少女の衣装が欲しいという子供の夢を叶えるためにパパが頑張ります。
資金調達のため、まずは宝石強盗にトライ!
しかし上からゲロを落とされて中断。
その後、吐いた女性に付け込み、速やかに恐喝へと移行します。
手段がど汚いw さっきまでいいパパ風だったのにどうしてこうなったのか。
なおこの映画に魔法は一切登場しません。登場するのは魔女とアレな錬金術と暴力のみ。
そして前後関係が一切不明でも、しれっと以前からの知り合いみたいな顔をして重要キャラが出てきたりします。
ただ、場面ごとの省略が異様にうまいので、謎なところは謎なまま、描かなくてもいいところは描かないまま、それでも話にはついていけるように作ってあります。
ここまで省略しても脳内補完ってできるんだ、と今までいかに親切設計な映画を見ていたか実感するような作りで、どうなるか気になってついつい最後まで見てしまった……。
女の子の無邪気な夢が、周りの人を連鎖的に不幸にしていくさまはマジカルというより猿の手。
ラスト近く、念願の魔法少女の格好をして、ずっとこちらを見つめてくる女の子が印象的。
今までの展開全部がこのシーンのための前振りだったのか、と思うと愕然とします。
ただ、終始シリアスな展開だけに、インド映画では諦めがつくような細かいことが気になる……。
女の子が欲しがった魔法少女のコスプレ衣装、お値段90万円! 杖は別途で約260万円!
……こんなの絶対おかしいよ! 100%カモられてるよ!
有名デザイナーの一点ものだから高いってパパは納得してるけど!
そもそも普通の魔法少女グッズは幼女の親が主な購買層なのに、そんな値段のものを販売してどうする……もっと他のサイトを探すんだ! 絶対に廉価版があるからそれで手を打て!
細かいとはいえ、設定の根幹に関わる部分なので放っておけない。しかも忘れたころに杖の追加がやってくるから突っ込みたくて仕方ない事態に。
そしてこれを言うと身もふたもなく、映画も成立しなくなってしまうのですが。
金がないなら普通自作する! 宝石強盗より裁縫の方が多分簡単!




