『メガマインド』 アンパンマンなき世界でバイキンマンはどう生きるか
※ちょっとネタバレあり
天下のドリームワークス製作なのに日本劇場未公開・DVD未発売のコンボで知られていない作品。
……ここは毎回キャラデザで損をしてます……『シュレック』はコンセプトが「怪物」だからいいとしても、どうしてこんなに万人受けしないキャラデザにOK出すんだ……主人公が青いデカ頭の宇宙人じゃないか……。
『ミニオン』を作り出したイルミネーション・エンターテインメントの方が後発なのにグッズ展開がしやすく売れてるという惨劇。
でも万人受けしないけれど、一時間くらい見ててツボにはまればかわいく思えるのがまた不思議w
仕草とか、頬染めたりとかが妙に可愛いんです。青いデカ頭の宇宙人なのにw
『メガマインド』は一言でいえば、バイキンマン主役でアンパンマンがいなくなり……という話。
宇宙の星が二つ崩壊し、赤ん坊が入った救命ポッドが各星から一つずつ、地球へと送られる。
一つの救命ポッドは裕福な家で何不自由なく育ち、街の平和を守るヒーロー、メトロマンに。
もう一つは刑務所に着陸し、大きな頭脳を駆使して悪の限りをつくすヴィラン、メガマインドに成長する。そしてこっちが主役w
メガマインドは、メトロシティで毎回スーパーヒーローメトロマンに戦いを挑み、敗れている。
しかしある日、偶然メトロマンをやっつけてしまう。
こんなはずじゃなかったのに……と悪役の存在意義がなくなり悩む主人公。
そして新たな正義の味方を作り出すことを思いつく。
しかし、その正義の味方タイタンは悪役よりも自己中だった!
メガマインドはタイタンの尻ぬぐいに奔走するが、タイタンは自分こそがメトロシティの支配者だと街をめちゃくちゃに破壊し始め……ついに、メガマインドが立ち上がる。
メトロシティを守るために!
『Mr.インクレディブル』や、その他マーベル作品を明らかに意識した作りになっていて、ドリームワークス流の皮肉やパロディは相変わらず健在。
ここまで露骨に皮肉っていいのか? という箇所もちらほらw
最初とか完全にスーパーマンのパロディーw
この映画のよさは美しいCGや迫力のアクションはもちろん、脚本の随所にちりばめられた伏線が光る光る。キラッキラ。
例えば主人公の使う光線銃や変身時計、透明自動車にも二重、三重の使い道があり、終わった後、伏線を確認するためにもう一度見返したくなる作品。
正義とは何か、悪とは何か。
生まれや環境は、確かに多大な影響を与える。
しかし、己の力で運命を変えることはできる!
というアメリカンなコンセプト。
一見子供向けの陳腐なテーマをぐっと掘り下げつつも、コメディで軽く流せるようなのどごしすっきり映画でした。
「お前は悪党だが大悪党じゃない! 足りないのは……プレゼン力だ!」という台詞からのメガマインドの反撃は最高!