『フランケン・ウィニー』ティム・バートン監督の好きなものを好きなように詰め込んだ、あえての白黒ストップモーション!
※ネタバレあり
ストップモーションに似合う不気味な造形を作らせたらピカイチのティム・バートン監督。
その中でも『フランケン・ウィニー』に登場する愛犬スパーキーの可愛さは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』に匹敵するレベル!
ボルトが飛び出ていたり、皮がツギハギになっていたりするところが、ちょっグロテスクでたまらないポイント。
落ち着きなく尻尾を振ったりしている動きが本物の犬のようw
人物の造形も、異様に細長い手足に瞳孔開いた目をしていて前作のストップモーションアニメ『コープス・ブライド』の雰囲気!
目玉がいつぼとっと落ちるか心配になってくるけれど、そんな展開はなかったw
映像がわざと白黒で撮っているところもあって、粘土感のあるストップモーションがぴったりマッチしている……。
スパーキー以外でのこの映画の見どころは、監督の好きな作品のオマージュシーン!
愛犬が死んだので生き返らせようというストーリーの骨は『フランケンシュタイン』から、 往年の超B級映画『ペット・セメタリー』っぽいペット霊園シーンも挟みつつ、『ガメラ』や『鳥』、『グレムリン』まで名シーンが再現されて続々登場。
フランケンシュタインの怪物に似たクラスメイトもいますw
好きだから作ってみたかったのであろうシーンが、ストップモーションで再現されていて面白い!
どうして舞台の街にニュー・オランダという変な名前をつけたのかと思ったら『フランケンシュタイン』と同じ風車小屋のシーンを作りたかったためだと気づいて納得!
ただ、ラストが……びっくりするほどセオリーを覆してきた!
これは賛否両論だろうなと思って批評サイトを見たら、やっぱり意見が真っ二つ。
まあ『フランケン・ウィニー』はテーマが「科学の根底に愛があるか」なので、こういう終わりもありなのかなあと。
根底に愛のない実験は失敗し、愛がある実験は成功するという設定の都合上、ラストは必然的にこうなる。
『コープス・ブライド』と比較すると、向こうは生死の境界が破綻しているように見えて、最後にはちゃんと線引きできている設定。
『フランケン・ウィニー』は、愛があれば生者と死者の区別など気にしなくていいじゃないか、という感じ。
……ちょっとポニョの死生観に似ている気もしてきた!




