『シャイニング』 先入観を捨ててわかる、名作ホラーの美意識過剰な演出!
※ネタバレあり
撮っているうちに別物になりすぎ、原作者のスティーブン・キングに「気に入らないので、自分で映像化する」とまで言われ、実際原作に忠実なものがTVドラマ版として作られたものの、やっぱり有名なのはこっちのキューブリック版『シャイニング』。
……なのに、お父さん役のジャック・ニコルソンが壊したドアから顔だけ出してたりする様子とか、すごく間抜けな死に顔がネタとして出回っているせいで、今までろくに見ようともしなかった作品。
ホラーの賞味期限は短くてすぐコメディーに変わるから……『貞子VS伽椰子』とかw
伽椰子が育児インスタ更新しすぎたり、貞子と一緒に始球式したり、公式が直々に笑わせにくるから困るw
映画枠から出るとやたらフレンドリーだなこの人たちw
『シャイニング』も完全に賞味期限が過ぎているものの、名作なことは間違いなさそうので、余計なジャック・ニコルソンのことは考えずにこの際ちゃんと見てみたら……ホラーというより、美術に近い何かを見てしまった!
冬は閉館するホテルで、管理人として一冬住み込むことになった作家家族が怪現象に遭遇する……というか、お父さんがアル中になって徐々に狂っていく話。
やっぱりここでも先住民の墓の上にホテル建ててる……アメリカ人は本当に先住民の墓大好きだな!
最近クトゥルフ系にも手を出したせいか、先住民の墓云々を今月三回くらい見た……。
先住民の墓に何かする癖をいい加減やめれば惨劇が減るのにw
多分、アメリカの先住民の墓は日本の平将門的な立ち位置なんだろうな……。
とにかく、今見ても映像の撮り方が新鮮!
ホラー映画で汚く気持ち悪い映像はよく見るけれど、これは美しく気味わるい映像が多い!
ホテルの廊下を、血が濁流のように流れていくさまは、よくよく考えると気味わるいけれど絵的にすごく綺麗。
整然とした生垣の迷路や、線対称のように現れる双子や(殺されている場面も映るけれど、ものすごく映像映えする死体配置!)息子の三輪車の背後から長回しでホテルの廊下を映す場面などなど、見惚れるような画面が続く続く!
ただ、公開当時一番怖い場面だったであろう斧で扉を叩き壊してそこから覗くシーンでどうしても笑ってしまうのが残念w いろんな人のいろんなオマージュが頭を過ぎるw
しかし今見るとお母さん役の笑顔も怖かった……絶対的に栄養が足りてない顔をしていて、ホラーにどハマりしている……!
映画的には「え?」というラストではあるものの、最後まで画面は美しく! という美意識が全面に現れている気迫に満ちた映画でした……が最後に一言。
題名の『シャイニング』、ほぼ関係なかった! そりゃあキングも怒るよw




