『太秦ライムライト』もったいないけれど、この人が本当のラストサムライの予感しかしない!
※ちょっとネタバレあり
へっぴり腰の殺陣、明らかな早回し、困ったときのワイヤーアクション、果ては大河さえナレーション一言だけで本能寺を片付ける時代。
そんな時代劇ばかりになってしまった現代、京都太秦でチャンバラ斬られ役に徹した男を描く、ほぼ実話を元にした映画。
最初から松方弘樹さんの殺陣という、再放送以外ではあまり見られないゴージャスなものを見てしまった……。
障子ごしのチャンバラから破って登場とか、まんまテレビ時代劇の45分からのシーン!
先に主役の福本清三さんのドキュメンタリー番組を見ていたので、それをほんのちょっと脚色するだけでちゃんとした映画になってしまうんだなーと不思議な気持ちになりました。
というか、もうこの人を主役にすえただけで安泰という映画を久々に見た。
殺陣の練習シーンだけで大分尺を割いているけれど、一人で練習しているだけの映像でさまになっている! 斬っている相手が見える!
背筋がシャキッとしているお爺さんは格好いい!
作品中に出てくるゆるい時代劇の『ODANOBU』はなんだか笑えるけれど、これが今の時代劇の現状なのかもしれないと思いました。
マゲはハゲに見えるのでNGとか、もう完全に戦国BASARAの世界じゃないかw
それならいっそBASARAくらいファンタジーにしてしまった方がいいと思うけれど、日本人のためのファンタジー『精霊の守り人』ですら実写にするとイマイチなので、どうしても勇者ヨシヒコのコメディー路線に落ち着く結果になってしまうのが残念w
今は時代劇ブームも過ぎて久しく、新しい時代劇は本格であってもほぼ江戸人情もの。
剣を振り回しての派手な立ち回りはロストテクノロジーになりつつあるのが悲しい。
海外のほうが日本の殺陣をリスペクトしている現状はどうなのだろう……という疑問を持っての映画なのだろうなあと思いました。




