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『オーケストラ!』 最後の10分くらい丸々演奏のみ! 完全にコメディーかと思いきや意外と感動もののオケ映画!

※ネタバレあり

 ソ連時代、ユダヤ人系の楽団員解雇に反対し、指揮者からボリショイ交響楽団の掃除係となった主人公。

 ある日、彼以外誰もいない楽団のオフィスに、パリからの楽団招聘FAXが届き、主人公は思わずそれを掴み取る。

 そして、彼は30年前解雇された仲間とともに、偽ボリショイ交響楽団を作り上げ、パリで演奏会をすることに!


 フランス映画だけどロシア系の俳優さんを使っていて、ほぼロシア語。

 そして序盤は完全にコメディ。

 そんな馬鹿なというくらいにサクサク手配される偽造パスポートとビザw

 いくら何でも空港で六十人分のパスポートをその場で偽造って……ばれるだろうw


オケあるあるも色々あって面白い。

 最初あたりのシーンで、皆楽器を持っていなくても、口で『ウィリアム・テル序曲』をセッションしているところとかw

 居酒屋で一人やりだすと全員がハモり出して止まらなくなり店員に怒られるパターンだ……ロシアでは店員も怒らないみたいだったけど。


 脇役ではコンマス兼ジプシーのフィドラーおじさんがいい味を出してました。

 バイオリニストとフィドラーの違いを見せてくる!

 バイオリンとフィドルはどっちも同じ楽器なのですが、おじさんが弾き終わった後でバイオリニストに「どこで練習したの?」と聞かれて「ハァ?」となっていたのが面白かった……

 フィドラーには練習という概念などない、なぜなら酔っ払って常に弾いているからw

 という小話を地でいく面白さ!


 しかも、こういう演奏場面では隠しがちなバイオリニストの手元をやたらと見せてくる……ということはもしや、と思って調べてみたら。

 やはり音楽は別撮りだけど、ソリスト役のメラニー・ロランは実際プロの演奏家について特訓したそうです。だと思った! 撮り方で気合いが分かるw


 それにしてもコンマスをはじめ、寄せ集め楽団の描かれ方がひどいw

 パリに来て完全に観光気分、ウォッカを飲み過ぎ、リハもすっぽかしてキャビア密輸で商売に勤しむなどなど……いやロシアの人でもちゃんとした人はちゃんとしてるよ!


 しかし最後までコメディーかと思いきや、ラストのコンサートシーンでコメディーから感動ものへ一気にシフト!

 へっぽこ寄せ集め楽団は、出だしの演奏もボロボロ。

 なのに、ソリストの素晴らしい演奏を聞いた瞬間、全員が30年前を思い出して勘を取り戻す!

 ……普通はそんな早く取り戻せないもんだけれど、そこは映画の都合。

 そして、最後の10分くらい延々チャイコフスキーのバイオリン協奏曲を演奏!

 終われば語らず潔くエンドロールへ!

 演奏だけで10分持たせるのは至難の技なのに、中盤のほうがダレるとはどういうことだろう……という、ラストに溜めていたものが一気に吐き出されるような作品でした!

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