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『ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち』ヴィンテージのフェイク写真を元にした原作を、ティム・バートン監督の手でファンタジックに再現した映画!

※ちょっとネタバレあり

 主人公の祖父が謎の死亡。そして主人公はタイムリープに閉じ込められた世界へ。

 そこは、保母のペレグリンさんと様々な能力を持つ子供たちが暮らす孤児院。

 主人公は彼らと一緒に、おじいさん殺害の謎を突き止める!


 ティム・バートン監督のえぐみと毒がたっぷり詰まった映画!

 最初は、延々と灰色の現実世界で、主人公が祖父を亡くして展開的にも暗いシーン。

 いつものクレイジーな色彩感覚がなくてちょっと戸惑うけれど、これは『コープス・ブライド』の演出と同じ。

 果たして、主人公が祖父の遺言を元にタイムリープする不思議な世界にたどり着くと、あの毒々しくワクワクする色の洪水が!

 ティム・バートンらしさは、子供たちやペレグリンの一種不気味な感じからもとてもよく出てた気がする!

 普通にしていると浮くので重い靴を履いている少女、二口女、袋を被った謎の双子などなど、ファンタジックな子供達が勢揃い!


 舞台が孤児院のせいでキャラクターも多いのに、後半のバトルで全員に見せ場があるのはさすが。

 でも、いつもに比べて脚本が小ぢんまりとまとまった感じもありました。

 ティム・バートン監督には破綻していてももっとクレイジーで毒々しい脚本を希望したい……。

 その点でブラックユーモアが得意なロアルド・ダールの『チャーリーとチョコレート工場』やマッドさが半端ない『不思議の国のアリス』は原作選びが秀逸だったなと。


 毎回ティム・バートン映画に現れては素晴らしいヴィランっぷりをくり出すヘレナ・ボナム=カーターさんが(監督との破局により)いなくなったからだろうか……今回悪役のパンチも足りない気がした。

 モンスターだけすごくテイストが浮いてた感満載でバイオハザードの世界から出張してきたのかと思った。


 映像的に一番よかったのは、船出航のシーン。

 沈没船に空気を吹き込んで、一気に船が浮上してくるシーンはまさに逆タイタニック!

 3dで見られなかったのが残念なくらいの映像。


 原作の『はやぶさが守る家』は、ヴィンテージのフェイク写真を下敷きに作られた物語。

 挿絵はほぼ、工夫を凝らした古写真のみ。

 岩を持ち上げる少年とか、透明人間とか、ちょっと浮いた少女とかw

 制作過程は今だから想像がつくけれど、写真がまだ真実を写していると考えられていた当時、これらのフェイク写真は新鮮な驚きを持って迎えられたのだろうと思います。

 その存在感をそのまま現代に持ってきたような、ファンタジックでありつつも、不思議とリアルな子供達が満載の作品!

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