『トイレ』いい映画かどうかはともかく、衝撃的なインドのトイレ事情を扱った社会派コメディー!
※ネタバレあり
多分、ここまで紹介した中で一番イマイチな映画。
でも、とてつもないカルチャーショックを受けた!
インド映画は、よくも悪くも歌って踊ってアクションもありつつヒロインとラブラブハッピー!
今までそういう映画しか見てきませんでした。
『トイレ』はインド土産としてネタで買ってこられたので仕方なく見てたのですが、これも序盤は普通のインドっぽい陽気なラブストーリーだったのに……!
出会いが、主人公とヒロインが列車のトイレを巡って口喧嘩という事態から始まりますが、これがまさか重要な伏線になるとは。
その後、主人公はヒロインに猛アタックして、やっと結婚へ!
都市から近郊の村へウキウキでお嫁に来たヒロイン。
だが、その村には村ぐるみでトイレがなかった! という衝撃的展開。
全員畑で用を足すらしい……歴史映画じゃないよ! 2017年の現在を描いたインドの啓発映画だよ!
でも、インドは貧富の差が激しいので、単純に貧しいからトイレすら作れない、という理由もあるかもしれないな、とも思い直しました。
それなら国から補助さえ出れば何とかなるのでは?
と思いきや、そうでもなく!
家に不浄なものを持ち込んではいけないので、家にトイレを作ることは許さないという謎理論が展開されます。
宗教上の理由でトイレがないとか地獄かw
家に持ち込まなければ、その辺に撒いていいのか……
全く同じ物質が膀胱や大腸の中にあるんですが、それは家に入っていいのか!
そうなった理由が本気でわからない。
新興国のトイレが足りないのは貧困が原因だと思っていたけど、根本的なところで文化的規範が違っていたら、援助とかしたところでどうしようもないなと。
デリーなんかバカスカ高層ビルを建てているのに、トイレに関しての概念が全く違う。
トイレがないなら作ればいいじゃない的な発想ではなく、本質的なところはもっと根が深い。
インド政府も野糞40%の現実を何とかすべく努力しているそうで、この映画もそれに端を発して制作しているらしく。
「クソはトイレで」って啓発映画作らなくちゃならない状況って逆にすごいな……。
トイレがない村で暮らすなんて無理! もう離婚よ! と実家に帰ってしまった嫁のため、手を尽くして頑張る主人公。
最後は、トイレを家に作るなんて……としぶっていた父親や村長たちが主人公の奔走により納得し、結果、無事家にトイレがつきました、というハッピーエンド……というか今までの地獄から低レベルのハッピーに着地した感じ!
もう映画の見所とか目じゃなかった!
色の着いた粉をかけ合うホーリー祭の映像は綺麗だったとか、そんなものが吹っ飛ぶような驚きのトイレ事情だった!
……とにかく、古代からトイレが普通にある国にいて助かったと思いました。
ウォシュレット万歳!