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『ニュー・シネマ・パラダイス』これを貶す映画好きはほぼいない、映画を愛する人のための映画!

※ネタバレあり

 『映画好き』と一区切りにしても、大体皆に傾向があって、『恋愛好き』や『アクション好き』『ホラー好き』『ファンタジー好き』『SF好き』『洋画好き』『邦画好き』……色々な『好き』があるわけです。

 好みは様々あるけれど、この映画を貶す映画好きに未だかつて出会ったことがないという脅威の作品!

 多分、映画好き100人のうち80人が「最高!」と言い、20人くらいが「いいという噂だけど古すぎて観てない」とかそんなレベル。

 これと肩を並べられるのは『七人の侍』くらいかもしれない……。


 「後悔しないから」と言われて初めて見たけれど、これは……本気でケチつけられないと実感した!

 一言で言うと映画の歴史をまとめたものなので、映画史に興味がある人なら絶対に面白いと感じる作品!

 しかも、その理由を多少間引いても最高に出来がいい!


 シチリア島の僻地の村が舞台。

 村で唯一の映画館の名前が『ニュー・シネマ・パラダイス』。

 文字通り、映画が村人の唯一の娯楽であり、天国だった時代の話。

 主人公のトトは映画が大好きで、映写技師のアルフレードのいる映写室へ通いつめ、やがて自身も映画技師の仕事を覚えていく。


 この映画の中の映画館の場面がすごく好き!

 教会の検閲でキスシーンが全部切り取られているのには笑ったw


 劇中劇ならぬ映画中映画のシーンは一瞬で、あとは様々な客席の様子が映されます。

 台詞を丸暗記して役者より先に読み上げる迷惑な人や、二階から唾を吐いてたら一階の人に馬糞投げられる人、公共の広場を「俺の広場だ!」と言い張って他を追い払おうとする変な人もw

 そんな人々が、映し出される映画に見入り、ときに笑い、涙し、口笛を吹いて拍手し、あるいはブーイングする。


 映画館は、本当に村になくてはならない娯楽だったんだと実感!

 子役がまた演技も自然で可愛い!

 さっとアルフレードの手が子役の顔を撫でた瞬間、青年の顔に早変わりする演出もよかった!

 青年になったトトはロマンスや兵役をこなし、やがてアルフレードの言葉に励まされてローマへと旅立つ。


 そして30年が経ち、トトは映画監督になるが、アルフレードの訃報で初めて故郷の村に戻ってくる。

 テレビやビデオの普及で村の映画館も取り壊されたところでは、映画館いっぱいに詰めていたお客さんたちはもういなくなってしまったんだな、と寂しい気分になりました。


 映画館が崩壊した後で、アルフレードの遺品として渡されたフィルム。

 実は最後のシーンだけ音楽目当てで見た覚えがあったけれど、そのシーンの意味が今回初めてわかってよかった……。

 このフィルムはお前のものだ、という小さい頃の約束を覚えていてくれて、それをつなぎ合わせてトトに見せる日を待っていたアルフレードの思いに感動する!

 映画の黄金期と映写技師の人生を重ね合わせて語られた、映画好きにはたまらない映画だと思いました。

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