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『ビッグ・フィッシュ』 色鮮やかでファンタジックな、大人のための童話世界!

※ネタバレあり

 ティム・バートン監督の現時点での最高傑作!

 ……多分、多数決をとれば最高傑作はジョニー・デップとタッグを組んだ『シザーハンズ』だろうけど、あえてこれを押します!

 いつものシュールで毒々しい作風はどこへ行ったのか! この作品だけが妙に特異。

 まあ、ところどころにいつもの毒々しい感じは出てはいるけれど、出来たものが爽やかすぎる!




 父がベッド脇で話してくれる、若き日の父の冒険譚を信じていた少年。

 だが大人になるにつれ、荒唐無稽な父の話を馬鹿馬鹿しいと思うようになる。

 ホラ話が原因で喧嘩別れして3年後、父が大病に倒れ、息子は実家に戻ってくることになるが……というストーリー。


 冒頭、河で大魚を釣り上げるシーンは、誰でも「嘘でしょ?」と思うような映像。

 そこから「嘘でーす」と持っていく場面で「やっぱり」と納得してしまう巧妙な作り。

 ここから観客を騙すマジックが始まる!


 沼地の魔女に自分の死に方を見せてもらったり、大男と旅をしたり、幻想郷へ行ったり、サーカスで主人公の母親と出会ったり、戦争に行き大冒険をした挙句、戦死したことになり……


 全部ホラ吹きの父親から語られる話なのに、大真面目に映像化してくるのでついつい見とれてしまう。

 特に、好きな人の花が水仙だと聞いたら、芝生一面を一夜にして黄色い水仙で埋め尽くした映像が最高に美しい! ジャケットにもなってますが、これは多分CGではなく実写じゃないかなと思い、調べたらやっぱり実写でした。スタッフの異様な意気込みが伝わる映像!

 しかも回想中にはヒロイン(今は母親)だけがフィルターかかってキラキラしている……。

 普通に考えて、そんなことはしなかったのだろうけど、これはこれでいいじゃないか!


 監督がヘレナ・ボナム=カーターとまだ別れてなかった時期に製作されたので、この映画でも彼女の名演技がたっぷり楽しめます。しかも複数役で嬉しい!


 父親の話は、映像を見た誰もが「嘘だろう」と思うように作ってあるわけですが、納屋の片付けをしている途中、父親が戦死したときの手紙や、幻の町の信託証書を発見!

 「全部が全部作り話なわけじゃない」と秘密めかして言う母親。

 ……父の話のどこからどこまでが本当で、どこからどこまでが作り話なのか。


 それが明かされるのが最後、父親の葬式シーン。

 本当に皆に愛されていたお父さんだったんだな……というのが伝わってくるいい葬式でした。

 ラストに「ビッグ・フィッシュ」の本当の意味がわかるところがまたいい余韻を残す映画!

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