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『SING』名曲盛りだくさんの動物ものミュージカル群像劇! 『ズートピア』とは全く違う切り口で世界を描いた作品!

※ネタバレあり

 ディズニーの『ズートピア』はコンセプト・キャラ・映像・演出・脚本全てが素晴らしかった!

 その後追いで動物ものを出すには相当の覚悟が必要なはず……。

 イルミネーション・エンターテインメントは、本気で『ズートピア』を超える自信があるのか?

 ……と思いつつ、もう既にキャラがアレだなーと『SING』を片手間で観ていたら……これはこれで大正解でした!

 ハードルは越えるものじゃない、くぐるものだ! という感じで別方向に攻めたなんとも楽しいミュージカル。


 『ズートピア』のウサギやキツネの可愛らしさに比べて、『SING』に出てくる動物たちはコアラ、ブタ、ヤマアラシ、ネズミ、ゴリラ、ゾウ……正直、なぜその動物を選んだと言いたくなるものもちらほらいるレベル。

 しかし、映画の終わり頃には、ブタさん色っぽい! ゴリラかっこいい! ヤマアラシ可愛い! となってしまった自分が怖いw


 ディズニーアニメは、もはや出したらヒットするレベルに達していますが、だからこその弊害もあります。

 よく言えば、小さなお子様から大人まで安心して見ることができるアクのない勧善懲悪の作り。

 悪く言えば、『アダムス・ファミリー2』で悪い子認定された主人公達が、反省部屋で延々とビデオを見せられ、うんざりするように呟くシーンがあります。

 「ディズニーだよ……」


 その「良い子の壁」を完全に取っ払ったのがこの『SING』。




 借金まみれの劇場支配人のコアラが、起死回生をかけて歌手発掘オーディションを行う……が、桁間違いで賞金10万ドルのチラシを配ってしまう!

 集まった動物たちの中から選ばれたのは、専業主婦のブタやバンドを組むヤマアラシ、ギャングの仕事を手伝いながら密かに歌手になりたいと願うゴリラなどの面々。


 劇場支配人のコアラは、賞金額が間違っていても素知らぬふりでオーディションを続けようとする自己中。

 ゴリラなんか完全に犯罪の片棒を担いでる。

 ヤマアラシはカップルでオーディションを受けたのに、女の子一人だけが通ったら、もう一人が拗ねて浮気してブチ切れる……この時点でもう完全に「良い子向け映画」では踏み込めない領域に顔面から突っ込んでいるのがわかりますw


 そして、ものすごく歌唱力がある人が声を当てている!

 ミュージカルだから当然かもしれないけれど、本気でサントラを買いたくなるレベル。

 字幕版しか観てないのですが、ハリネズミ役がまさかのスカーレット・ヨハンソン。

 ……そしてそれがゾウ役トリー・ケリーの前座というゴージャスすぎるキャスト。


 曲も名曲揃い。

 ガガの『バッド・ロマンス』やテイラー・スウィフトの『シェイク・イット・オフ』、レナード・コーマンの『ハレルヤ』など、よりどりみどりのラインナップ!

 一瞬きゃりーぱみゅぱみゅが入っていたりもしました。


 冴えない毎日を送る専業主婦だったブタは、派手派手ブタとコンビを組んでセクシーダイナマイトな歌とダンスを披露!


 ゴリラの歌唱シーンはグッときた……実は以前、ギャングの父親に認められるために、賞金を持ち逃げしようとしたこともあるゴリラ。

 しかし劇場の事務所にこっそり忍び込んだそのとき、たまたま見つけた自分の履歴書に『生まれながらの歌手』と書き込んであるメモを見て盗む気を失くし、ギャングとは決別しようと心に決める……いいシーンでした。

 まあ10万ドルは入ってなかったんだけどw


 コアラは自己中の楽天家だけれども、心底落ち込んでも立ち上がり、夢に向かって真摯に努力するし、シャイすぎて観客の前に出て行けなくなったゾウの女の子に手を差し伸べ「恐れることは何もないんだ。ただ、歌い始めればいい」と声をかけるシーンでは、コアラ本当にいい奴だな、と思いました。


 たくさんのキャラクターが出てきますが、全員いいところも悪いところも描かれています。

 それぞれに欠点や課題があり、それを克服していく過程を説教臭くなく、ミュージカル調に描いた、見た後にやたら元気が出る作品!


 ……なお、ネズミだけが自分の欠点を省みない心底嫌なキャラとして描かれていますが、爆風にもめげず朗々と『May Way』を歌いきるところが自称プロの意地!

 才能があるけれど高慢で浪費家、「小さいネズミを批難する奴は差別主義者」と弱者ぶり、影で大きな顔をしてワガママ三昧……とどめに名前がマイク……これがネズミ帝国に対するささやかな対抗意識かw

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