『コララインとボタンの魔女』 4年かけて作った超ハイレベルなコマ撮り映画!
※ちょっとネタバレあり
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック監督ということで、ある程度の期待はして見たのですが……ストーリーはわりと普通でも、やっぱり映像が全然普通じゃなかったw
「恐ろしい子!(白目)」としか言えないこのストップモーションへの執念……恐るべし!
そりゃあ『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の1993年には、CGもまだ発達しきれてなくて粘土ストップモーションで作ることでしか再現しえない表現はたくさんあったとは思いますが……2009年にこれ!
もう全編CGでいいじゃないと思われる時代に、この手作り粘土感。
しかも公開当時にアニメとして初の3D上映……これは3Dで見たかった!
そしてストップモーションにぴったりの奇怪なメルヘン題材!
少女コララインは引っ越してきたばかりの自分の家で、小さな扉を見つける。
その扉の中はパラレルワールドのようになっていて、理想的なパパとママがいて、なんでも願いが叶う夢のような世界……住人の目がボタンということを除いて。
ここにずっといたいと願うコララインだが、ボタンの目をしたママが言う。
ずっとここにいたいなら、あなたも目をボタンにしなければ、と!
ここは悪い魔女の世界だ、と悟ったコララインは、その世界から逃げ出そうとするが……!
一部CGだけれど、随所に見える異様な手作り感へのこだわりが恐ろしすぎる。
世界崩壊のときに壁紙が剥がれていくシーンとか、ぴりぴりと壁が一ミリずつ破かれていくさまをコマ撮りしていると思うと気が遠くなってくる……全てにおいて一切の妥協がない映像でした!
ボタンの魔女の造詣も最高!
怖いのにどこか愛嬌があって、センスもよくて魅力的!
と思っていたら、調べたところ、この映画のコンセプト・アートは上杉忠弘さんでした。
日本人の感性にぴったりくるわけです。