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文学は役に立たないのか

失礼な!

と、言い切れない何か負い目を感じてた。

かくいうオイラも文学部出身で、この文言に葛藤したり。

あおりを受けて世間では文学部の閉鎖が続き、追い打ちをかけてわが母校の日文学科も数年前、ついに消えてしまった。

ぴー。


ということで先日、あるイベントが開かれると聞き色めきだった。それが某大学の文学部のみのオープンキャンパス、「文学部の逆襲!」だ。

その中でも興味を引かれ足を運んだのは、タイトルにある「文学は役に立たないのか?」という学部教授陣と招待論客らによるトークセッションだった。


さてこのトークセッションでは、どうすれば文学部は生き残れるのかについてを、学部教授と招待論客が存分に語り合っている。

明確な結論は出ていないものの、役に立たないと思われる一番の要因「お金になるのか」「就職に役立つのか」という点において出た話はこんな具合だった。


現状、フレンドシップ型雇用の日本の企業では、文学部出だからといって就職に不利だということはまあない。院生など、なお就職先が狭まると言われがちだが、悪く言えば? オタクな彼らであっても「社会性」さえあれば問題ない、と。


そうだろう、そうだろう、と聞くことしばし。


中でもチラリ出た、一番、興味深く聞いた話はこれである。

毎年、次の受験の動向について大手予備校の方が一同に会し話し合う場があるらしいが、そこで擦り合わせるに、法学部や医学部の受験希望者数は変動があるものの、文学部に関しては統計を取り始めて以降、変動がない、と。そして学部生になぜ文学部に入ろうと思ったのかを聞いてみると「なんだか楽しそうだったから」という理由が多い、ということもまただ。

(他の学部なら「将来、○○になるため」や、「○○に役立ちそうだから」などという返答が多く返って来るのにもかかわらず)


いや、かくいうオイラも身に覚えがある。オハナシの世界が好きだけど、ホントのところ文学が何なのか分かんない。だから知りたーい、とかなんとか。

のんき。


古きをたずね、新しきを知る。それが文学の世界だと言うし、なるほど思う。

だからして「今」にべったり寄り添うことのないこの学問が、「役に立たない」と見られやすいモノであることは否定できない現象だろう。

けれどもだからこそ時代や世俗に流されず、流行り廃りに左右されず、いつの世も志す者が一定数いるのだとすれば、そこに潜む「面白そう」というエッセンスこそ普遍の表れで、そして普遍こそ到底、無駄、無用になるとは思えないのである。


古来から不動のこのジャンル。

誰が何と言おうと「役に立たない」なんて言わせない。

ふんっ、ふんっ!

気合を入れて会場を後にしたのだった。


あなたならこの問いかけに、どんな答えを用意できる?


(「本も読書人もオモシロイ シミルボン」投稿分より)

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