15番隊
「祐作君、君はどこからおぼえているんだ?」
「記憶が無いのは森にいる前の一瞬だけです。俺が何故あんな所にいたのか分からないし、こんな建物や怪物なんて今まで見たことがありません。」
長官は一瞬だけ顔をしかめた。
「君の姿をみる限り君が生まれたときには既にこのような環境のはずだ。」
俺が生まれたときからずっとこんな環境だと?俺は今まで普通に生活していたはずだ。
隊長は続けて話した。
「君は記憶喪失であることは間違いないようだ。」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「あの、ちなみに今って何年ですか?」
「2070年だ。」
それを聞いた瞬間俺は混乱した、そして気がついた。俺は記憶喪失ではなくタイムスリップしてしまったことを。
なぜなら俺がいたのは2020年であるから。
「どうした?顔色が悪いぞ?」
「いえ、大丈夫です。」
「そうかではあの怪物について話そう……」
それからあとの記憶はない、なぜならタイムスリップしたことで頭が一杯であったから。
そして今にもどる
ウィーンとドアが開いてKがやってきた。その後ろには男性が立っていた。
「話は終わったみたいだね。祐作君彼を紹介するよ15番隊隊長の川澄寛太だ。」
川澄という男性は俺の方を見て一礼した。
それにつられて俺も礼を返した。
「そして君は今日から15番隊の隊員になってもらう。」
「そもそもクルーにならなければならない理由はなんなんですか?」
するとKはこういった。
「君を野放しにするのも危険だから記憶が回復するまでここの隊員になってもらうことにしたんだ。それに…。」
というところで喋るのをやめてしまった。
「どうしたんですか?」
そう聞くと
「いやあ、何でもないよ。アハハ」
何か隠しているのだろうか。
「とりあえず川澄君に案内してもらいたまえ」
そして俺と川澄さんは15番隊の部屋の前にやってきた。
「入る前に一つだけ言っておく。」
険しい顔でこちらを見てきた。
「な、何ですか?」
「15番隊君を合わせて4人いる。あとの2人は個性が強いからそこんとこよろしく!」
どんな人達なんだろう?
ウィーンとドアが開きまず俺が入ったとき何かが目の前で動いたと思ったら、俺は次の瞬間倒れていた。
「侵入者確保!」
その声は女性の声だった。
「え?」
としか言葉が出ず、未だに状況が把握出来ない俺に川澄さんが声をかけた。
「祐作君大丈夫?」
それぐらい見て判断してくれよ!
「あのーこれはいったい?ていうか体が重いんですが」
すると上からまた女性の声がした。
「隊長こいつは誰です?知り合いですか?」
どうやら女性は俺の上に乗っているようだ。
「マナミこいつは、新しい俺たちの仲間だ。早く降りてあげろ。」
「新しい仲間!?そんなの聞いてません。」
「さっき決まった。」
「急過ぎます!」
おい俺の上でジタバタするな。く、苦しい~。
「あ、あのー早く降りてくれませんか?」
するとマナミという隊員は急に顔を赤くして風のように降りていった。
そして
「あんたが悪いんだからね!」
と言い残した。
「すまんな、ああ見えても本当は優しいから。」
なんて恐ろしい人なんだ。
「そしてもう1人はあそこにいる。」
そう指を向けた方向には機材やらでゴタゴタしている隙間に向けられた。
「あいつは佐藤新。今みたいにひとつの物事に集中するとなかなか出てこないんだ。もちろん仕事はきちんとするけどね。そして、もう一つ私が川澄寛太だ。よろしく。」
「よろしくお願いします。」