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女神の奇跡  作者: 0q@sm8g
第一章~逃亡~
3/4

Anti a Kingdom Group

体が揺れている?規則性の無いリズムで体が揺れている。地面が硬い。揺れている体が地面にぶつかり痛い。俺は体勢を変えようとした。しかし体が動かない。なぜだ?俺は目を開ける。

(ここは……どこだ?)

辺りは布で囲まれていれ外の景色はよく見えなかった。どうやら馬車のようなものに乗せられているのみたいだ。俺はそのまま視線を体に向けた。足は縄で縛られ、手は背中のほうで縛られていた。自分の剣も無くなっていた。

俺は成す術も無く連行されていった。





しばらくするといきなり体が前のめりになった。その所為で顔から地面にぶつかってしまった。

「いたた。」


どうやら、馬車が急停車したようだ。そして外が慌しくなった。

「なんかあったのか?」

俺は外の様子を見てみたかったが、足が縛られているので思うように動けなかった。

『盗賊だ!』

『臨戦態勢!』

『ぐはっ』

外からはこんな声が聞こえる。盗賊に襲われたのか。この馬車は運がついてないな。

「君!大丈夫かい?」


いきなり男がこの馬車に入ってきた。甲冑に身を包んでいるわけではないので、王国兵では無いだろう。つまり盗賊だ。

「警戒しなくてもいい。私達は君を助けに来たのだよ。」


「そうなんですか?えっと、キャシーも助けてあげてください。」


よく分からないが俺を助けるぐらいだ。キャシーも助けてほしいなと思いながら、聞いてみた。

「キャシー?名前は分からないが、もう一人の女の子は救出した。」


「そうですか。」


刃物を持ちながら男はこちらに近づいてくる。

「な、何をする気ですか?」


思わず聞いてしまった。

「何って……縄を切るんだよ。」


考えてみたら俺を助けにきたのだから当たり前ではないか。男は丁寧に縄を切っていく。

「終わったよ。さぁ、こっちに来て。」


盗賊についていって良いのか迷ったが今はそうするしか無いと判断した俺は、その男の跡を着いて行くことにした。進むにつれ木が多くなり、森のような場所を歩いていた。

「あの……どこに向かっているんですか?」


「俺達のアジトだ。アジトまで行けば仲間がいる。安心していい。」

歩いてると前のほうにキャシーの姿を見つけた。

「キャシーだ!」


「助けたと言っただろ?だが再開は後にしてくれ。いま王国兵に見つかってしまうのは得策ではない。」


「……分かりました」


しばらく歩いた場所に森に囲まれていて遠目や上空からは見えないような場所に明らかに不自然な建造物が建っていた。外から見たアジトの姿は学校のようだった。

「此処だ。」


「いがいにしっかりしたアジトですね。森の中に入ったときは野営地に行くのかと思いましたよ。」


「最初はここで野営をしていたんだがな、いつのまにかこんなに大きくなってしまったよ。」


と笑いながら言う男。

「さて、こっちだ。」


男はその建造物の中に入っていく。俺もその後を追ってアジトに入ってゆく。アジトの中は清潔感が漂っていた。

「さぁ、入ってくれ。」


男に言われ部屋の中に入る。部屋の中は会議室のような場所だった。そこには既にキャシーもいた。

「さて、私の名前はアルフレッド・ウィルソンだ。気軽にアルフと呼んでくれ。AKGのリーダーをやっている。君達には部屋を用意するので使ってくれ。」


そして隣の女性も自己紹介をしてくれた。

「私はフランシス・モレラスだ。呼び方は特に指定しない。好きに呼んでくれ。AKGの福リーダーをやっている。」


そして、最後にもう一人眼鏡を掛けた男も自己紹介をする。

「僕はベンジャミン・ホールです。僕のほうも好きによんでくださいね?AKGの医療係りです。」


「さて、こちらは一通り自己紹介を済ました。今度は君達の名前を教えてくれないか?」

ここは俺から行くか。


「俺はアレクサンダー・トレスです。」


俺に続くキャシー。

「私の名前はキャサリン・ハワードです。よろしくおねがいします!」


「トレスとハワードだな。さて何か質問はあるか?」


「あなた達は盗賊ですか?」


俺の言葉に少し目を細めるがすぐに表情を戻す。

「どうしてそう思うのかな?」


「王国兵が『盗賊だ!』と言っていたからです。」


「しかたないか……。はっきり言うと私達は盗賊ではない。ただ、王国側は私達をを盗賊としたんだ。」


「王国側が?なぜですか?」


「私達は反王国団体だからね。盗賊と認められた場合、王国兵は盗賊を排除と言う意味で始末することが出来るんだ。」


それは知っていた。

「王国側の都合のいいように、ということですか?」


「そうだ、つまり王国側が私達を盗賊と主張しているだけに過ぎない。ほかに質問は?」


今度はキャシーが発言した。

「あの……AKGって何ですか?」


「AKGとは反王国団体の略称だ。正式名称はAnti a Kingdom Groupだ。他に質問はあるか?」


「なんで、俺達を助けたんですか?それに部屋まで用意してくれた。これだけの行為ただじゃないよな?」


「トレス、君は鋭いね。たしかに目的はある。」


「それはなんだ!」


「そう慌てるな。君達の戦闘能力を買ったに過ぎない。」


「俺達の……戦闘能力?」


「単刀直入に言おう、君達二人はAKGに入団しないか?」


「入……団……?」


「そうだ、私達が君達を助けたのは君達に力になって欲しいからだ。」


「AKGって一体何をやるんだ?」


何をやるか、それが重要だ。あまりに反社会的な物でなければ、ここに入るほうが都合がいいのだ。俺達は今行く当てが無い。そう考えた場合ここにいた法がよっぽど安全だ。

「私達がやることは大きく分けて三つだ。非道な行為を行う王国側の人間の始末を行う班。魔獣を討伐し皮や肉を取りに行く班。その皮や肉を使って物を作る班。この三つが大きな仕事だ。」


「始末……」


「この国は既に終わっている。誰かが新しくしなくてはならないのだ。さて、君達が入団するかしないかはじっくりと考えるがいい。明日、答えを聞こう。」


そういって、アルフとファニーが出て行った。

「ねぇ、アレックス。ここの人たちに王の事を聞きに行かない?」


「そうだね。」






「王国兵に俺の両親は殺された!」


「村を焼かれた。」


「拷問された。」


王国兵にされた事を聞くとそんな答えがよく帰ってきた。そして……

「王国兵が大勢で押しかけてきて俺が殺されかけたときに彼女があれを庇ってしんでしまった。」

「!?」


その言葉を聞いた瞬間脳裏に浮かぶ言葉。


━━━━俺……死ぬのか……ごめん、**。お前を***も一緒に居る事も出来なかった……━━━━


━━━━    ふと横を見る。そこにはさっきと変わらない血まみれの**の姿。    ━━━━


━━━━    女神様なんだろ!……だったら叶えてくれよ!**の願いもよ……    ━━━━


「うわあああああああああ!!」


俺は駆け出していた。あいつらが言っているのは全部嘘だ!俺を仲間に引き入れる口実だ。王国兵だぞ!そんなこと……そんなことする分けないじゃないか……





俺は森の中に立っていた。そこで力なく俺は倒れこむ。後ろから足音が聞こえた。

「……アレックス」


後ろに来たのはキャシーだった。

「……。今は……一人にさせてくれ。」


「……。」


しかしキャシーは俺のそばから離れようとはしなかった。俺のそばにやってきて隣に腰を下ろすキャシー。

しばらく沈黙が続いた。その沈黙をおれは破った。

「俺さ……」


「うん。」


「昔、王国兵に何回か助けてもらってるんだ。そういうこともあって王国兵に憧れていたんだ。俺も民間人を助ける王国兵になりたいってな。」


「うん。」


「だから、さ。キャシーやここの人達の話を否定し続けてたんだ。でも、やっぱりそれじゃいけないんだな。現に王国兵に被害を受けた人が集まってるんだもんな……。」


そうだ。ここにいる人は俺が奴らに持ってるのと同じ気持ちを王国兵に持ってるんだ。つまり今の王国は奴らと同じ事をしているんだ。

「キャシー、聞き込み続けようか。」


「うん。」






俺達はその後会議室に行ってみる。すると、そこにはベンがいた。そういやベンはどうしてAKGに入ったんだろう?俺はそのことをベンに聞いて見ることにした。

「ねぇ、ベン。」


「なんだい?アレックス?」


「ベンはなんでここにいるの?」


「ああ、少し居眠りしててね。」


そう言って苦笑いをしていた。

「質問を変えましょう。なぜ、AKGにいるんですか?」


「そっちか。僕はね、妹を王国兵に連れ去られてしまったんだよ……」


「なっ!」


「僕の妹は魔法を使えてね、その力を戦争に使うらしいんだ……」


「戦争!?戦争は結局おこらないんじゃないの?」


キャシーが驚きの声を上げる。

「表上はね、だが実際は違う。今は休戦となっているだけだ。この二年間、王国はある兵器を開発していたんだ。」


「兵器……?」


「そう、魔力砲だ。どこでそんな技術を知ったのかは知らないが、妹の魔力を吸ってエネルギーに変換。その力を発射するという兵器だ。」


「それなら、妹さんを助ければ、戦争は止まるんですか?」


「いや、いつかは始まるだろう。だが、遅らせることはできる。」


「だが、妹さんを取り返すことが重要だろ。AKGでは動かないのかよ?」


「いや、今その準備を進めているところだ。それが『パトリシア救助作戦』だ。」




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