表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第五話 勇気と玲華

運転手は飲酒していたらしく、ブレーキもかけずにこちらにつっこんできた。

「―!!」

勇気は私を突き飛ばして言った。

「やっと会えたのにな…」

「待ってー!!」

私は砂の上に倒れた。

体を急いで起こすと、トラックは横転していて、その少し前に血まみれの勇気が倒れていた。

「勇気ー!!」

私は勇気にかけよった。

「しっかりして!!」

「ゴメン…。俺…、もう…ダメみてーだ…。お前に辛い思いをさせちまった罰が当たったのかな…」

辛そうに顔を歪ませて、傷だらけの勇気が言う。

「やっぱり神様なんていないんだよ!!だっていたらこんなコトしないよ!!」

「泣くなって…」

勇気は、頬を伝う涙をそっと指で拭いてくれた。

「笑顔を見せてくれよ……。どんな時でも笑ってる。それが、玲華だろ…?」

「…うん」

私は思いっきり笑った。

だけどやっぱり涙はたくさん溢れてくる。

「ゲホ、ゲホッ」

「勇気!!?」

勇気は口から血を吐いた。

「…玲華…ひとりの…女さえも…、幸せにできなかった…俺を……、許して…ほしい……」

そう言って勇気は静かに眠りについた。

冷たい風が、私を嘲笑うかのように頬を撫でていった。

「…バカ…どうして…?せっかく…、前みたいに楽しく過ごせると思ったのに…」

誰かが通報してくれたらしく、救急車が来ていた。

「どうやら、生き返るコトに成功したようですね」

気がつくと、後ろにあの女の人が立っていた。

「成功じゃないですよ!!だって、だって…、勇気は…」

「あなたを蒼里玲華に戻したのは、風神勇気です」

私はその言葉を聞いて驚いた。

「えっ、どういうコトですか?」

「風神勇気は、風神麗花のあなたにキスをしましたよね。それが戻るカギだったのです。あなたから特別な力を感じたのは、あなたが風神勇気に想いを寄せていたからでしょう。たぶん他の5人も、自分を殺した相手のコトを心のどこかで想っていたのでしょう。あなたが正体がバレても地獄へ落ちなかったのは、相手を恨む気持ちがなくなったからです」

「でも…、私はもう一度死んで、勇気の元に行きたい!!」

女の人は優しく微笑んで言った。

「あなたは風神勇気に殺されたけれど、風神勇気によって命を取り戻した。せっかく風神勇気にもらった命をムダにしたいのですか?」

「それは…」

「彼は、きっとあなたが笑顔で生きているコトを望んでいるでしょう。それと…」

女の人は後ろを向いて言った。

「この世に未練のある人はきっと、新しい命として戻って来ますから」

その言葉は私の胸に刺さって抜けなかった。

もう不安はなかった。

柔らかい風が、私を包んで空に溶けていった。

私は冷たくなった勇気の手を握った。

『一生、玲華を守ってやるからな』

勇気の声がこの澄んだ大きな青空から聞こえてきた気がした。


「勇気からもらった命を大切にして生きていくね」

いつかまた、あなたと出会うコトを願って…。

《END》

読んでいただき、ありがとうございます



ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかは、皆さん自身に決めていただきたいと思います



実際に現実でもこんなことが起きてたら怖いですよね←

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ