第二話 悪夢の再会
「…うーん…」
目を覚ますと、私は茜の腕の中にいた。
「あ、起きたんでちゅか。ほら、ママだよー。そんで、この人がパパ」
(パパ!?)
こんな奴の夫が見たかった。
首を左に回して、男性の顔を見る。
物好きな奴もいるもん…だ―。
あ゛っ!!
私は怖くて目を閉じた。
そして、もう開けたくなかった。
間違いない。
勇気だった。
「なんだよ。コイツ全然俺らに似てねーじゃん」
「あら、ホント。でもカワイイからイイじゃない」
(まさか、顔はそのまま蒼里玲華になっちゃうの!?だから、生まれ返った5人も成長して顔が戻ったせいでバレちゃったの!?)
私はこの現実を受け入れたくなかった。
しばらくして、私たちは退院した。
ここが、勇気と茜、そして私の家…。
父が私を殺した男で、母が私が大嫌いだった女だなんて…。
「この子の名前、どうする?」
「うーん…。じゃあ、麗花。風神麗花だ」
「イイ名前ね。そうしましょう」
(えぇー!!!??)
ど、どうして!?
漢字は違うけど、私の前の名前と一緒じゃん!!
もしかして、私の顔見て気づいた!?
―幼なじみだし…。
「だってコイツ…」
(ヤバい、バレる…!)
私は泣きまねをした。
「あ、麗花起きたの?それで、この子が何?」
「いや、なんでもねぇ…」
(気になるー!!)
でも、よく考えてみれば私と勇気が出会ったのって3歳の時だし、私、写真に写るの嫌いで写真残ってないから大丈夫かも…。
勇気、記憶力悪いし。
それから月日が経って、私は幼稚園に入園した。
今の私は勇気と出会った3歳の時の玲華の顔となった。
私は何のためらいもなく言葉を話せるようになった。
無意識のうちに父を避けるようになっていた。
顔をまともに見たくないし、見られたくなかった。
バレたらもう生きていられないし、勇気に罰を与えるコトが目的で私はこの世界に舞い戻ったのだから、その前にバレて地獄に落ちるのなんてダメなんだ。
一人で部屋に引きこもる生活を始めた。
あんな両親といたくないし、親だとも思えない。
しかし、そんな私の前に難問が現れた…。