表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/77

ああ、そうか。



橘さんとコバちゃんが、あんなに飲むとは思わなかった。


っていうか、橘さん、ものすごく酒に強いんじゃないか?


なんて思っていたら、携帯にメールの着信。橘さんから・・・?


「いまいえにつきましたきようはおせわになりましたありがとう」


暗号?・・・じゃなくて、変換されてないんだ。句読点もないし。


やっぱり酔ってたのか。でも、ご無事で何よりです。


返信「お疲れさまでした。」





そういえば、この半年で、中学生のときよりもずっとたくさんの橘さんを知った。


中学生、高校生のときの彼女の思い。


大学に入ってからのこと。


仕事についてからのことは、本人だけじゃなく、ほかの人からも聞いた。


そして、この半年は、自分の目で彼女を見ていた。


橘さんを見ていると、気持ちがほっこりとして、楽しくなる。


彼女が笑っているときはもちろん、「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」の声、慌てているとき、困っているとき、今日みたいに怒ったり酔ったりしているときでも。


いつも見ていたい。





ああ、そうか。


俺、橘さんが好きなんだ。





しっかり者なのに、あわてん坊のところもあって、職場を癒してくれる一方で、今日みたいに怒り爆発でみんなを慌てさせる日もあって、笑ったり困ったり、表情豊かで。


そんな彼女をいつも見ていたい。


彼女が安心して笑ったり怒ったりできるように、守ってあげたい。


できるだろうか。




「態度であきらめさせちゃってるのかも知れない」


ずっと前、橘さんのモテない話を聞いたときに、佐伯が言った言葉がよみがえる。




彼女の隣にいつもいたいと、彼女は言わせてくれるだろうか。




* ---- * ---- * ---- * ---- * ---- *


橘 春香



椚くんから返信。「お疲れさまでした。」


はい。おやすみなさーい。


明日からまた、どうぞよろしくお願いします。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ