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二十一世紀の神事

作者: 千歳

都市部で植物が育たないのは人が願わないせいではないでしょうか。え? 枯れ葉が邪魔? そうですか……

 彼は探していた。

 それは未来の、つまり古代の、樹木によって統治される性質の国。その王女。

 彼は自分が王女と結婚すべき賢者であることに気づいていなかった。

 そして結婚さえ決まればすべては終わり、成仏、ということにも気づいていなかった。

 常識がないのか? 人生のサイクルというものが全くない。だからこそ賢者の知恵を持ちえたのかもしれないが。

 王女は待っている。

 侍従たちは二人のもとを訪れる。けっして面倒なだけの日々ではない。かしづかれる日々。言い換えれば、その気風によって国「ローラント」を統治する社交の日々が待っている。賢者は努力してはいけないこと、人と話せば幸せになることを知らなかった。

 政治ではない。社交である。


 人は罪を背負って生きるものではない。ただ語り合うのだ。舞台では歌うたいたちが歌い、踊り手は踊る。樹木は人々の願いに応じて生成し、いつか、都市に森を生むのだ。

「植物はすべての罪の許しである。異教徒よ、心せよ。」神官は外国に向かってそう告げた。

すべての人が緑と水に祝福されますように。

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