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作者: 秋葉竹


 


蛇口から

スーッと水が流れ落ちている

キラキラ光る糸のよう

でも

それが理由という訳じゃない



それをわたしの骨は知っている



雪の冷たさを知らなかったころ

雪は甘いんじゃないかって

想っていたこともある



それをわたしの骨は知っている



なにも知らずに

踊り狂うように

感情をぶつけていたのは

もどかしい愛が

じぶんの手に負えなくなったから


陽光

キラキラ

目に入る

午後


ろくでもないひけめの気持ちだけが

破裂した風船みたいに

ゴミの姿に変わる



それをわたしの骨は知っている



どんな数をこなしたら

あんなふうになれるのだろうか

わからないから

あふれ出る文字に

つき刺されそうになる


白い雪だけが

ゆっくりと

白い空から

ふり降りる


凍った涙を

流した日のような

すき透るレースのようなアクセサリー



それだけを

わたしの骨は

知らないらしい



目のまえには

蛇口から

スーッと水が流れ落ちている

キラキラ光る糸のよう


でも

それが理由という訳じゃない


それだけは憶えていてほしい

ほかのなにを忘れてもいいから







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