21話「城門の攻防〜拠点攻略戦②〜」
10人いたこの部隊は、すでに2人やられてしまい。
そして、2人が先陣を切って突っ込んだ。
『いま指揮できる人数は私を含めて6人。どこにいるのかわからない相手…どうやって…』
バンッ————
再び空気を切り裂きながら矢が飛んできた。
しかし、メンバーの全員が木の陰に隠れていて難を逃れた。ルーファーは今できることを考えた。
『私にできることは記憶を読むこと、いま私たちが知りたいことは相手の位置…相手の位置を知るには…敵兵から情報を奪う?でいいかな…』
ルーファーには、全く自信がなかったが、とにかく必死に頭を回転させ作戦を立案した。そして、先ほど銃撃部隊に隊列を組ませたビンダと呼ばれている男に作戦を伝えた。ビンダは予めルーファーの能力を把握していたため、理解が早かった。
するとビンダは大きく息を吸った。
「コンサールゥ!」
横にいたルーファーはあまりの音量に耳をふさいだ。すると、コンサールは敵兵の中にいながらも、余裕を見せこちらを振り返った。
「敵兵を一人こっちに寄こしてくれ!」
コンサールは、こちらの意図はおそらくわかっていないだろうが、
「了解!よいしょ―!」
槍で器用に敵をひっかけこちらに思いっきり投げてきた。巨体の男が宙を浮いて飛んでくる。投げてこられた兵士は意識はないものの、息があった。
ルーファーは、戦場で乱れた呼吸を整えるため、大きく呼吸を整えた。
そして、封樹の力を行使し、男の記憶を覗いた。
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記憶の主は、城門を見上げると、巨大な弓を持った長髪の男が城門に現れた。
長髪の男は巨大なヘッドホンのようなものを耳に装着していた。
「そこから三歩、右に動いたところにもう一つ装置を置いてくるように伝えろ」
記憶の主は、長髪の男から指示をうけて斜面を下る。
そして、別の兵士に大声で伝達を始めた。
「装置をそこから右に3歩、動いたところにおいてくれ!」
長髪の男は再び記憶の主に話しかけてきた。
「受信機の調子も確認しろ、音声が乱れている」
記憶の主は、城門の横についた大きな木箱を開け、複雑な配線を整え始めた。
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ルーファーは考えた。
『山の斜面にこの装置がちりばめられている。どうやらそれが地面に埋められている…地雷のようなものではない…受信機もあるってことを考えると、位置を知るための装置なのかなぁ…』
ルーファーは、ビンダに今見た情報と考えたことを伝えた。
「こうして動けない状態では、打開策なんてないんだやるしかないな。それが位置を知るための装置だという前提で話を進めよう」
「皆聞いてくれ、近くの地面を軽く掘るんだ。そしたら、何か見つかるかもしれん」
全員で地面を軽く掘り始めた。
掘り始めてすぐに
「あったぞ!」
一人が大きな球形の塊を発見した。
バンッ————
矢が発見した男の真横に飛んできた。
身を隠しながら話していたために難は逃れた。
「それから信号が送られているようで間違いないな。それで受信機を破壊しないと行動はできないな」
「そうですね、城門のところは見えづらいけど、左側に大きな木箱がみえますか?あの中に受信機が入っているみたいです…」
ルーファーは少し自信がなかったが、同時にやるしかないとも思っていた。受信機さえ破壊できれば、一方的な状況を打破できるのは間違いなかった。
ただ、ルーファーには一つ懸念があった。
「ただ打ち込めば、すぐに場所がばれるので弓が来ます。それは…」
「それ以上言うな…ここを突破しないとリンとコンサールがやられる。すなわち我々の敗北が決まる、それだけは防がねば」
「そうですね…」
ビンダは部隊に状況を説明した。
部隊全員、この作戦の意図を理解し覚悟を決めているようであった。
そして、ビンダたちは再び隊列を組んだ。
リンとコンサールは、幸いにも城門からは大分ズれたところで戦闘をしていた。
全員が銃口を城門に向ける。
「撃てえええええ!」
城門が煙に覆われる。
バンッ————
バンッ————
すぐさま矢が飛んできた。
そのうち1本がビンダの腕に刺さった。
ここまでの主な登場人物
ルーファー・カリン:記憶を読み取る特殊な能力を持つ少女。この物語の主人公
ダン:ベルス第一商隊の隊長。ズボラな適当人間。銃身が長すぎるライフルを武具にしている。
リン:ベルス第一商隊の隊員。明るく親しみやすい性格の天然キャラの女。
アルス:武器屋の主人。
~言葉~
封樹=エル。巨大樹のこと。
封樹の力=エルマ。エルから採られて使われるエネルギー。あらゆるものへの活用がなされている。
封樹の戦士=エルズ。エルマを用いて戦う人間。
ベルス王国=ルーファーたちが暮らす大国




