12話「夢と合否」
主な登場人物
ルーファー・カリン:記憶を読み取る特殊な能力を持つ少女。この物語の主人公
ダン:ベルス第一商隊の隊長。ズボラな適当人間。銃身が長すぎるライフルを武具にしている。
リン:ベルス第一商隊の隊員。明るく親しみやすい性格の天然キャラの女。
ミカゲ:しゃべるフクロウ
~言葉~
レンド=ベルス第一商隊の拠点がある地域
カレスを自宅へ届けるために商戦車に乗り込みルーファーは首都への帰路についた。
ルーファーの住んでいる借家は、ベルスの一番の大通りに面する小綺麗な建物の2階であった。
カレスの家からも比較的近いところにあったことから、カレス宅で自分も降りて帰宅することになった。
別れ際にダンから、
「三日後、またうちの隊屋にこい。面接の結果を伝える」
二度と行きたくないが、働かないわけにはいかないので。行くことにした。
部屋に入るとすぐさまベッドに飛び込んだ。そして、瞬く間に意識が飛んでいた。
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『ルーファー…』
『お母さん!なんで、なんで!』
幼いルーファーは、泣きながらは、玄関口で誰かと話をしていた。
『お母さんいかないといけないのよ…しばらくは会えないけど、また会えるから』
『何で?』
『少しだけ用事があるの。ごめんね、ルーファー。すぐに会えるから』
ルーファーはハッとなり目が覚めた。
最近よく見る夢をまた見たのだ。
『同じところばっか見せてくるな…」
ルーファーは、ぼやきながらベットから起き上がった。
そして、窓を開けるためカーテンを開けた。
「よお」
「ぐわぁ!びっくりしたぁ…何しているの?」
ミカゲは、窓の外の1階屋根の上でしっかりとくつろいでいる。
「今日はくるんだろうな?」
「当然行くわ」
「待ってるぞ…」
「うん…」
ルーファーは『それだけ?』と心の中で思った。
ミカゲが何をしに来たのか全く検討もつかなかった。
そして、約束の三日目後であるため、着替えをしルーファーは再びレンドへと向かった。
「オー!ルーちゃん!」
リンが、隊屋の前で大きな声を出して、手を振っている。
ルーファーも『ファー』の部分をカットしていることに気になりながらも、思わず手を振り返す。
「元気だった?あの後も大変だったね~」
「まぁ、一日2回も死にかけるなんて中々ないですね」
「生きてるってことはいいこと!」
リンの意味のわからない総括にルーファーは苦笑いを浮かべた。
「ダンさんが、ルーちゃんに会ったら隊屋に呼べって言ってたな!ルーちゃん行こ!」
「わかりました」
ルーファーは薄暗い隊屋に入った。
ほこりっぽい部屋に迷路のようなつくりの建物であった。
そして、1階の一番奥の扉をリンが開けると
「おー、無事だったか」
ダンがライフルを磨きながら、座っていた。
「普通に生きてりゃ無事なのよ」
ルーファーは少しむっとしながらダンに反抗した。
「よし、面接の結果を発表する!」
ダンは急に大声を上げ、立ち上がった!
「うおー!やったー!」
リンがやたらとはしゃいでいた。
ルーファーは、そういえば私は今日面接の結果を聞きに来たんだと思い出した。
「まず、お前の人間性はそこそこ。次に、能力も発展途上でそこそこ。学校の成績は、ダメダメ」
ダンはニヤニヤしながら話している。
ルーファーはその評価に少し腹が立ったが、反面その通りだとも感じてもいた。
「ひどいよ、ひどい!」
リンがわめいている。
「だが、一人の命を救った点。ここは評価しないといけないな」
ルーファーはそんなことをした覚えなどなかったことから、少し首をかしげた。
「カレス議員だ、お前があの時発砲してなきゃ殺されていたよ」
ルーファーは、自分がしたことを思い出した。
無我夢中の行動であったとはいえ、少し自分が誇らしくなった。
「人助けは、うちの採用条件の一番大事なところだからな」
「そうなの」
「んで、お前は合格だ」
「あぁ、そうなのね」
ルーファーは、感情表現の苦手さからうまく答えられなかった。
だが、心の奥ではものすごくうれしかった。
その分、
「やったーー!!」
リンが自分以上に喜んでいるので、それはそれでいいと感じた。
「そんでもって、任務を与える。しばらくは、リンとミカゲと一緒にタカンの悪事の証拠を集める。事の詳細は、リンから聞いてくれ」
「一緒にがんばろ!」
リンは明るい笑顔で言った。




