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四、兄妹護衛

第四話です。

「おい、謝罪するならするでその顔は変だろ」


爽は華楊に向かって言う。

今、華楊は昨夜の自分の行いについて謝っていた。


「どんな顔ですか?」


その問いの答えは返ってこなかった。


「…」


華楊は謝りながら、この頃の暇さについてどうにか出来ないかと思っていた。


「その反省していない顔はどこから来る」


「昨日の件は大変申し訳ないと思っております。もしかしたら、毒を飲んで倒れているかもしれないと…」


「くだらない詭弁を言うな」


爽の貫禄に口をつぐむ。



「今度から気をつけますので…」


「人の閨を覗き見ることをか?普通は覗かないんだぞ」


万が一、爽だったら覗き見たとしてここは後宮…中身が中身なら気まずくなるだけだ。好奇心から見ようとは思わない。


「あっさり、信頼を裏切ってどうする?」

すると、海蘭がやって来た。


どうやら最近は休みをもらっていたらしい。

それは、年中無休で働いているのだからたっぷりと休みをもらえて嬉しかろう。



「まぁ、お前まだ信頼すらされていないかもな」

見下すような顔で華楊を見る。


「言っとくが兄貴、私はそんな変態ではない」


「昨夜の件聞いたぞ。反論のしようもないな」


「だから、それには理由があるんだ!」

兄妹喧嘩を繰り広げる二人を爽は冷めた目線で傍観していた。



「ん、とりあえず今はやめよう。この件は今度だ」


今度とはいえ海蘭はまだ喧嘩を続けるつもりがあるらしい。


「確かに、今回ばかりは兄貴の言うとおりだ。一時休戦といこう」


華楊もまだ兄妹喧嘩を続けるつもりらしい。


かなり根に持つこの兄妹は怒らせては行けないという従連家の密かなる掟があった。



「失礼しました。皇帝陛下」


二人は声を揃えて謝罪する。



「あぁ」

ならば、もうするなと顔が言っているのを感じ取った二人は再度頭を下げた。



「それで、海蘭は休みはどうだった?」


「とても充実しておりました。ありがとうございます」


「良かったな。…それじゃあ、今度からは華楊と二人で護衛をしてくれ」

爽は端正な顔に美しい笑みを浮かべた。


「はい?」


「流石に女一人で護衛はキツかろう。一緒にしろとは言わない。交代でやってくれ」


「…だったら、しますけど」

交代制により納得した海蘭。


華楊は別にどちらでも良かった。

仕事にこれと言ったこだわりはない。


ただ、敵を倒すのみ。



「華楊は良いな?」


「はい」

しっかりと確認をとってくれることは嬉しい。



「それじゃあ、華楊は今日は休んで良い。部屋に戻れ」

爽は追い払うように手を振る。

「分かりました」


名前に似ていない性格だな、と思った。



「あの、主上?」


「なんだ?」

華楊と話す時よりも声色が明るくなった。



「カッコつけてません?」


「…妃にカッコつけない皇帝がいると思うか?」

肯定した…。


爽はいつもの自分よりも冷めていることを自覚していた。





___その日の夜___


「入るぞ」


「はい」

寝台でゴロゴロとしていた華楊は慌てて居住まいを正す。


「いきなりすまない」

ボソッと一応謝っておく。


「いえ、別に。それよりもどうされましたか?」


「脅迫状が来ているんだが…対処の仕方は分かるか?」



脅迫状。

皇帝に脅迫状を送るとはかなりの強者のようだ。



「はい、護衛と犯人探しどちらもすると言うことで良いでしょうか」


「あぁ。犯人まで見つけてくれたらありがたいな」


華楊は不適な笑顔で皇帝を見た。



「仰せのままに」



ありがとうございました!

また、次回もよろしくお願いします!

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