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二十七、ざわめき

第二十七話です。

「後宮の南側の壁が破壊されたそうです…」

武官の報告に爽は顔を歪める。



「いつかこうなるとは思っていたが…」


「南側に人を集中させますか??」

華楊は提案する。



「いや、そうなると他が手薄になる」


人員不足だ…。

私も前線に出たい…けど、ここを外すわけには。

華楊が悩んでいると、扉を叩く音がした。


「皇帝陛下に文です」

白亜の声がした。



「入れ」


「失礼します。兄さ、…海蘭からです」


爽は文を受け取ると、中身を読み始める。

内容は人員補充と、態勢変更の要求だ。



そうしたいのはやまやまなのだが…人が足りない。

爽は頭を抱えた。



「白亜、今前線はキツい状況にあるんだな?」

華楊は目を鋭く細めて訊ねた。


「はい…死傷者もたくさん出ております」



「…分かった」

ボソリと華楊は呟く。

その独り言のような呟きに爽は反応した。




「何が分かったんだ?」

低く押し殺された声で聞かれた。



「………いえ…私も前線に出たいと言いますか。出た方がいいと言いますか…」

目を泳がせて華楊は爽に向かって言う。



「ダメだ。俺の護衛はどうするんだ?」


爽は自分を指差しながら華楊に近づいていく。


それは、他の護衛に任せても大丈夫だと信じてる。

二人で一人の護衛の時よりも多少弱くなるかもしれないが、華楊が前線で倒せば皇帝に被害は加わらないはずだ。



「お前しか、俺の安全を任せられない」

と、華楊の手をぎゅっと握る爽。




さすがにここまで言われたら交渉できない。


「御意」大人しく引き下がることにしたのだった。






とはいえ…このままずっと黙っているわけには行かない。

華楊は私室に戻り紙を机の上に広げた。


「皇帝が住まう宮は襲撃にあった際に一番遠いところに位置している。つまり、あそこがこの国の要で最後の砦だ」


ぶつぶつと独り言を呟きながらざっくりとした地図を描く。



「どうも、引っかかるな…」

そう、頭を抱えた瞬間大きな爆発音が響いた。


「陛下!」


華楊は爽のもとへと走った。






「陛下ー!!」


「陛下ー!」

自分を呼ぶ声がする。


ちょうどその時、爽は馬小屋の方に行っていた。

危ないと止められたのだが、これは最終手段だ。



自分を呼ぶ者たちの声を無視して、馬に乗った。

今の爽は暗い色の外套を羽織っていた。



今、後宮から抜けれるのは以前使われていたが、老朽化のため使用されなくなった裏門のみ。


そこから、抜け出して…。

頭の中でこれからの動きを確認する。


「行くか」


爽は馬を勢いよく走らせた。






後宮がざわめいた。

理由は皇帝が戦の最中に姿を消したことにある。




ありがとうございました!

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