二十六、無秩序
第二十六話です!
爆発音と共に血飛沫が舞う。
「嫌な空気だ」
鉄の匂いが充満する中、海蘭は人垣をかき分ける。
「今の状況を教えろ」
部下がすぐに駆け寄ってくる。
「たった今、壱部隊がやられたとの報告が。その後弐部隊を送ったのですが…こちらも…」
危険な状況らしい。
困った…人手が足りない。
元はと言えばこの戦争の発端は近隣国の情勢悪化にあった。
それで、近隣国の伝師より軍事力を貸せと言われたらしい。
「それで巻き込まれた、と」
ぽつりと独り言を零す。
「白亜を呼んできてくれ」
海蘭は部下に頼んで地図を広げた。
後宮を取り囲むように武官を配置していたが、前線に出ていた武官たちの数が足りなくなってきた。
追加したいところだ。
というわけで皇帝に態勢変更の提案をしようと思ったわけなのだが、ここから皇帝の宮までは少し距離があるので白亜に文を持っていってもらう。
最近、仕事が来ないで暇だと聞いていたのでちょうどいい。
「兄様、何の御用でしょう?」
「皇帝陛下に文を持って行って欲しい。今、持ち場から離れられないんだよ」
「御意」
仕事をもらえて満面の笑みで去って行った。
「翠珠にも会いたいな。話したいこともあるし…」
今、衛部はとてつもなく忙しかった。
後宮全体を警護する衛部は今が天王山と言えよう。
「翠珠!手が空いてるなら来てくれ!」
手が空いてるはずないだろ!
剣で相手の攻撃を抑えつつ思う。
こんな最前線に出て、余裕があるはずない。
「無理です!」
横暴な上司もかなり苦戦しているらしい。
あっちは力もだが数がこちらの比ではない。
一人で三人分抑えるのがどれだけ大変か。
「海蘭兄さんと話がしたい…体勢を整えて欲しい…」
ぶつぶつと言いながら相手を倒していく。
三人、六人、九人倒そうともまだまだ敵がいる。
「どこから湧いてくる!?」
多分近隣国同士で最初は争っていたのだろう。
そして、次第にこちらにも争いの火種を飛ばしてきた。
つまり、敵同士で倒しあってからこっちに来てくれるわけなので無秩序反面、敵の数が敵によりだいぶ減らしてくれるわけだ。
「…厄介だな!」
翠珠は次々にやってくる敵を倒したのだった。
ありがとうございました!




