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二十四、作戦会議

長い間投稿していなくてすいません!

「さっさと始めようか」

爽は頬杖をついた。

可樹は爽の隣にいる。


「会議をしている間に武官がどんどんやられてしまうだろう」


「それはその通りですけどね〜、もう少し態度を…」

上司が爽に顔をしかめつつ言った。


小言を言いたくなるのは分かる。

だけどねぇ…。

大体一部署ごとに上司と部下の2人で参加する会議。


それで見事に選ばれてしまった可哀想な武官である俺。


一武官として会議に出席している側としては上司にはそれなりに立場をわきまえた発言をして欲しい。

…自分にも被害が来るから。


「分かっている」

爽は適当に手をひらひらと振る。



「それでは、まずは作戦会議をしよう」


ニヒルな笑みを浮かべた皇帝の雰囲気にはぞっとした。

その横で可樹は軽く肩をすくめた。




「無茶苦茶です」

また、上司が挑発的な口調で言う。


「突飛な作戦ほど功を奏するはずだ」



「それは殆どが運次第の賭けで…」


「賭けてみよう。俺のこの座に賭けて」



一族継承の皇族の立場を賭けるとは意味が分からない。

「この作戦が成功すればそれで良し。しなかったら俺の子供に帝位を譲る」



「子供ってまさか皇子が?」

そんな報告は上がってない。


二十五になっている爽だが、未だ皇子がいない。



「まだいない。だけど皇子が生まれたらすぐに帝位を譲ることにする」


「その賭けの代償すら用意出来ていないのに、何を賭けだか…」

呆れ声の上司。

心臓が飛び出そう、と俺は思った。



「まぁ、賭け事の詳細はその作戦会議の内容を決めてから考えようか。というかその戦略は可樹の案だからな。戦略専門家に任せた方がいいだろ?」


可樹は気まずそうに頭を下げた。



「それは、そうですね。えーとそれでは、軍部側の意見としては今の通りで、」

やっと話がまとまって安堵の息をついた進行役が話し始める。




「それでは爽さまの意見は…」


「作戦変更する」

言い切ってしまう爽。

爽の耳元で可樹が呟いた内容を言っているようだ。


…多分言い方は違う。


「具体的には軍部の体勢変更と後宮を囲むように敵を包囲する」

爽は、はぁっとため息をつきつつ言う。

可樹の言い方をだいぶ変換しているようで、伝達役みたいで疲れてきたらしい。


「今の軍部の体勢と言いますと?」



「今は後宮の北門、南門付近を強化しているがとりあえず量で各方向を満遍なく強化しよう」



「それには賛成ですが、それだけの人の量が足りませんよ?」



「だから、とりあえずだ。見習いのような武官でもいい。人の数を多く見せろ」


含みのある笑みを浮かべて言う爽に周りは何となく言いたいことを察した。


ハッタリというわけか。



「これにて会議、終了」

さっさと帰って行こうとする爽。



「待ってください。それだけですか指示は?」



「俺の教育は自分たちで作戦を考えて実行するだけの責任感をつけたいんだ」


ていうのは建前で絶対に帰りたいだけだ。


体のうちから帰りたいオーラが滲み出て最初から会議に集中できない。



「それじゃ」


バタンと勢いよくしまった扉。




「…」

重い沈黙が満ちる。


と、思ったらまた扉が開いた。



「悪い。妃たちの避難とかはどうしようか」

爽の言葉に皆一斉にため息を吐いた。


妃たちには優しいと評判の皇帝だが、実はカッコつけてるだけでかなり抜けてるのではないかと皆思った。






「おかえりなさいませ。どうなりましたか?」

華楊が戻ってきた爽と可樹に尋ねる。



「妃たちを後宮の外に避難させることは難しい。なので、後宮の中心にある宮に移動してもらうことになった」


コクンと可樹が頷く。


「なるほど。そちらの方が安全かもしれませんね。って言ってもその宮は全妃が避難するには窮屈では?というか、正門が破られたら一番に敵が来ますよ」

正門から真っ直ぐ北に進んだところにその建物はある。


だが、後宮の端に宮がある妃は弓矢などで狙われる可能性もあるため中心に集まった方が護衛しやすい。


その代わりにそこが狙われたら全滅だ。



「一応、正門を抜けてももう一つの壁がある。後宮はこういうことに備えてやたら壁が多いからな」



「そう、ですか…それで、大丈夫なのですね」

つい疑うような口調になってしまう。

可樹の目の前で申し訳ないが、不安なことは不安だ。


「あぁ」



「分かりました。それで貴方様はどうなされるのですか?」


「ん?俺はどうもしないが。…あーそれと賭けをしてきてしまった」

至極申し訳なさそうに言う。


「どう言った賭けですか?」



「____……俺のこの座を賭けて…」

気まずそうに言ってくれる。

可樹は何か察したようでそそくさと出ていく。


「……皇子はどうするんですか?」


「だから…言っているのだが」



…つまり、子を作れと!?

いや、私のとしては妃のつもりはない。

だから、皇帝と閨を共にすることもないと思っていたし、仕事一筋でいくつもりだったのだが。



「…」


黙り込む華楊に爽は慌てて取り繕うようなことを言う。


「すまない。…えっと、そのそなたに限った話では、な、なくて…」



「あ、そ、そうなんですね」

ほっとした様子で悪いが爽はさらに言葉を続けた。


「けど、そなたが良ければ…いいか?」


良くない!と即答できるはずもなく、華楊は困った。


「……善処します」



「…なんか、すまない」


2人の間に気まずい空気が満ちた。


ありがとうございました!

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