遠征ハンターに聞くLoRa無線の話
遠征仲間から罠の作動検知とLoRaWANの話を振られて長文で答えてしまったので多少整形して転載しました。中身の確かさや読みやすさというよりはとにかくキーワードを並べ立てて検索やAIへの質問に使えるようにしますので、詳しく知りたい方はこれをきっかけに掘り進めてください。
質問1:ローラ(LoRa)通信って何?Low Power Wide Area Networkとの関連は?
質問2:ネットないところの罠の動作検知のやつ、山の中で電源と通信どうしてんだろう?
質問に1については、乱暴な説明になりますが、ローラ(LoRa)は特定小型省電力相当の帯域での
無線通信を低レイヤーソフトウェアで活用する規格って理解していただければ通信ユーザーとしてのハンター的にはおっけーかと思います。
平たく言えばインターネットインフラが使えない山中や災害時、宇宙通信(衛星ー地上も地球外も)での無線活用術です。
それで時々災害に効くとか言われます。
実際はアマチュア無線等同様、帯域が溢れたらダメなので事前に運用ルールを整備しないと限定的な運用しかできませんが。
大雑把かつ誤解を恐れずに言えば変復調と誤り訂正的なレイヤーをロジカルに整理するプロトクル(手順・規格)で、データ量を減らして脱落した分の情報情報を復元することで訂正力を上げて、
通信が不安定な条件(ノイズや長距離)でも通信できるようにする仕組みです。
LPWAはLow Power Wide Area Networkで電力少なくても広い範囲で通信できる、という概念で、
LoRaはそれに当てはまる規格の一つです。
これらの技術を利用してインターネットに連なるネットワークを作ろうというのがLoRaWAMで2000年代初頭に出てきました。
低速度通信をこの特定小型小電力の帯域でやる無線技術は米軍用に提案された1960年代だったかの古い規格ですが
モノのインターネットで脚光を浴びてLpWa、LoRaWANとして日本では2010年代後半から活用案が多く出るようになりました
私は災害対策でこのLTEと一緒にDTN(途絶遅延体制)という規格も調べていたのですが、
LoRaはほぼ変復調のレイヤで、DTNの各規格はそれを活用して再送や保管伝送(ストア&フォワード)または感染型通信といった手順を挟むもので
併用可能なレベルで対象レイヤが違います。
こうした通信の仕組みはアンテナだとかの物理レイヤに変更がないと物理でのハードウェア購入や導入の難しさと比べて手軽に見えて、
例えばその手軽さのイメージは最近のスマホ使う感覚でいえばアップデートしたらどうにかなりそうな「ソフトウェア」みたいな話なのですが
インフラレベルの合意形成やコスト負担、利益分配になるため実際にやろうとすると合意形成からとなって難しいです。
やや横道にそれますが通話についてはAIで音声認識でテキスト化、再生も実際の会話をもとにボイスロイド的に再生すれば処理内容ローカルリソースに疑似的に変換すことで聞きやすい会話をやや遅延はあれど快適に出来ます。
かなり山中の連絡向けだと考えられますが、素直に文字送るほうが僕的には好みです
特定小型省電力的と言った理由を補足すると、個人ベースのインフラ、無資格、安価な設備、低品質なところ
低質なままそれなりの量を送れるのが特定小型省電力、データ量を減らして再送とか訂正でカバーしようとして成功したのがローラです
例えばチャットや罠の作動実績なんかはローラの本領発揮ですね。
犬の首輪のGPSにも抜群の効果です。なのでIoTに良いという評判になりました。
とまあ、私はずっと目をつけてるのですが何せ町中、大量転送と真逆なので儲からない!製品が少ない!という状況が続いてきました
でもLoRaできる部品自体はまぁまぁ売ってます。
質問2の山の中の罠にはいくつか方式とテクニックがありまして
まず通信インフラゼロのところの山の中のネットワークをローラか特定小型省電力で組んでからLTE圏内に置いた集約役のLTE通信装置に送るか、直接LTEで組みます
LTEのところに1個ローラのアンテナがあれば、そこから先はインターネットにできるわけですからLoRaの仕様がWANに絡むこともなくネットワークが分かれて、
LoRaと単純なデータの吸出しだけできる格安の部品とソフトだけ投資すれば
LoRaの長期理通信の特徴を生かして直で集約役に送れるのでネットワーク内の構成やWANとの常時連携などをを考えなくてもよいし、
LPWA的な低消費電力による置きっぱなしが機能しやすいわけです。
LTEだけソーラーや大型電池と置くか、単純に見通しの良い事務所等に置いて送電網の中で安定稼働って感じで役割分担します
LoRaで大都市にある事務所まで自前ネットワークでリレーして持ってくるの、LTE圏内まで持ってきたら通常のインターネットにする例がありますが
現地の山の中の通信機器の信頼性が高いと機器のメンテナンスと罠の見回りでエンジニアとハンター両方現地に行かせたり、
電気屋ネットワークのエンジニアかつハンターで山を登れる希少人材が必要になるので山地でネットワークインフラを維持する業務設計は喜ばれません。
単純に移動が阻害される状況だと交換用機材輸送コストや在庫を抱えるコスト、調査コストもかかるのでLoRa通信機器の完成度が高くないと人の部分で高コスト過ぎると受け取るケースが多いように見えました。
よって、野生生物調査や捕獲の現場では一般化していないですが、橋や河川の監視などでは重宝されている例がネット上にありました。
以下はフォレストシー社のローラを使った先進的な罠監視の例ですね。初めて見た時からもう5年以上経ちますが、着々と実績は積んでいるようです。
課題としては、導入プロジェクト化して人手や合意形成がかかってしまい、物品販売のように規模の経済をとれないところでしょうか。
https://satoyama-connect.jp/oriwana/
下記は逆に昔ながらの特定小型とLTE経由での発砲を組み合わせたシムックス社のものです。
コストのネックが子機のガワ(プラスチックのケースの金型、安い通信部品を安く組みまくる)なので、一つの山に20個罠かけるならシムックスの古典型な物のほうが都市の警備システムと共通部品が使えて圧倒的に安上がりです。
https://www.keibi-sems.co.jp/service/tmar/
フォレストシーのほうが割り切ってOSとクラウドを整備して罠1個単位の管理しやすさは圧倒的に上(数が出なくてハード部品に金がかけられないのをソフトに振って差別化した)という認識です
LTEは谷の中がどーしてもきついのですが、罠を置きたいのは経路が限定される谷の中となり、複数ホップのLoRaを使いたくなるのでネットワークする羽目になり、
ネットワーク運用や物理配置の部分が導入希望者に受け入れられにくくなるようでした。
基本的に2015-2020年ごろに勉強した知識をベースにしていますが簡単に見渡した限りでは野生鳥獣関連では運用方式や導入コスト面ではそこからあまり進まなかったようです。一方で中央省庁や市町村での実証や導入の実績はかなり積み上げられており、かなり技術的に後退した形であれ、山林内や河川メンテでは今後も活用されていく気配です。
本当に欲しいのはスマホへのアタッチメントとなる通信装置(直差しでも、LoRa-Bluetoothでも良い)とそれを制御する最低限のソフトでその先のクラウド投稿なり解析は楽勝、あとはデータ送信元のOn/OffとGPSだけLoRaでそのスマホ直付のものにアップロードする小型端末があれば完成の単純な要求のはずですが、需要が小さすぎるせいか中々実用的価格のデバイスにならなかった思い出です。
[その他狩猟や山林での活動に生かせそうな通信規格用語]
APRS→アマチュア無線に乗せてGPS連携
EchoLink (エコーリンク)→インターネットを介しVoIP技術を利用するアマチュア無線のシステム




