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無彩色の狩人 外伝  作者: 塩辛
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ヴァーチャルネット時代から宇宙生活時代へ

ヴァーチャルネットとは

 電子計算機に人間の脳神経を直接接続し、人間の精神を仮想現実世界に移す。この世界をヴァーチャルネットと呼ぶ。条件さえ整えれば、肉体的寿命を全うするまで生活できる。

 初期ごろはインターネットの進化系として利用されていたが、文明レベルが進むと、肉体が収まる程度のカプセルに収納され、脳みそ内や脊椎の神経にも配線を取り付けることでヴァーチャルネット内での五感を現実と同じレベルで再現できるようになった。

 ヴァーチャルネット内では本人が理想とする容姿や声が適応される。本人の性別に関係なく男性か女性かも選ぶことができ、それすらも途中でいくらでも変更ができる。

 全てが電子によって形作られているため、この中では通貨の概念がなく、「現実世界で働くロボットの操作、芸術制作、奉仕、話術、歌、音楽活動、手品などの手先の技術、性活動、スポーツ、趣味」など、ほとんどが人にとって娯楽となることが行われ続ける。ちなみに食事・飲酒・アロマ・タバコなどの味覚・嗅覚を刺激するものも楽しまれるが、食べなくとも生き続けることはできる。


現実世界での真意。ヴァーチャルネット民

 増えすぎた人口を間引くための処置。人間社会で無価値な存在と決められた人間は強制的にヴァーチャルネット送りになり、容姿端麗・頭脳明晰・才色兼備といった将来に子孫を残すべき人間のみが現実世界で暮らすことと子孫の産出を許されている。はじめは彼ら選民と電子世界の人間を生かすため、奴隷制度も復活して奴隷には主に一次産業を行わせていたが、奴隷は子孫を作れないように調整されていたため、次第に現実世界は選民だけになっていった。

 ヴァーチャルネットはどんな人にとっても都合の良い理想の世界となっており、たびたび現実世界の秀才・天才たちすらも電子世界に逃亡していた。ただし、選民の人口数もそれなりに安定しているため、完全にいなくなることはなかった。


旧宇宙移民時代

 宇宙に人が住める宇宙船やコロニーを創り上げはしたが、重力や空気の供給は満足に行えないため、地球と同じ生活は不可能であった。しかし、ヴァーチャルネット内で暮らすカプセル漬けの人間をそのまま宇宙船に載せ、宇宙船内やコロニー内で生かし続けることは容易だった。

 こうして、カプセルに詰め込んだ人間を宇宙へ放り出し、人工的にヒトを交配させることで人口を維持し、人が発生するエネルギーを利用して宇宙船を動かし、第二の地球を探し求めて宇宙を彷徨い始めた。

 地球の近くに浮かぶコロニータイプは、宇宙用エネルギー原として利用され始め、新人類の宇宙開発を推し進める要因となった。


ヴァーチャルネット民搭載型スペースコロニー

 現実的にも少数であれば人が永続的に暮らすことのできる場所もあり、新人類の宇宙活動拠点としても利用されている。技術が進歩してからは生身に影響を与えないままヴァーチャルネットへのアクセスが可能となっていて、彼ら新人類のための娯楽として楽しまれている。が、その沼にハマる者もあとを絶えず、体を改造してヴァーチャルネットに永久接続する者が多かった。ただ、コロニーに左遷されている時点で地球人類からつま弾きにされているようなもので、堕落者になったとしても咎められるケースは一切ない。

 ヴァーチャルネットに接続されている旧人類は、その活動エネルギーをコロニー内に向けて出力し、電力の元となっている。また、ヴァーチャルネット側にいる多数の意思によって宇宙活動用ロボットを操作しており、新人類のための補助要員として働いている。


ヴァーチャルネット民搭載型宇宙船

 旧人類をカプセルに詰めて載せた宇宙船。実験的に作り上げた宇宙船で、太陽系の外側を観察するために活動している。過酷な宇宙探索に耐えられる宇宙船がそうそうあるわけもなく、たびたびロストしている。しかし、人の目とコンピュータによって確実に宇宙地図が作られていった。


新人類

 選民たちの能力は現代では考えられないほど完成されており、文字通り“不老長寿・才色兼備”の人間に進化していた。

 この新人類の中にも、新たな技術を用いて宇宙へと旅を始める者たちがいた。その目的は個々により定かではなかったものの、「未知の能力を得ているかもしれないカプセル詰めにされた旧人類の宇宙船を探し出す。」「独自の進化を遂げたであろうヴァーチャルネットを確認するため、旧人類を載せた宇宙船を探す。」「自らをヴァーチャルネットに接続させ、半永久的に生命持続させて宇宙をさすらう。」「古い時代に捨てられた旧人類を救う。」「旧人類を救いだそうとするものを制裁する。」などといったものもあった。

 小競り合いもありはするものの、そのときに地球に住む新人類の繁殖度合いは旧宇宙移民時代以上となっていた。


新宇宙移民時代

 いよいよ新たな地球型惑星が見つかり、技術もレベル3の到達点に辿り着くと宇宙移民が本格的に始まった。その先駆けを行う『開拓者』たちによって新人類が住める星が次々に開拓されていく。「地球に居る限りは“古いテクノロジーと古い考え”に呪われる」とされ、宇宙へと駆け出す者が多数であった。それと同時に、地球に残る選択をした者を粛清するという一大事件も起きたが、結果的には地球にも少数の人間が残ることとなった。

 恒星エネルギーを利用しだし、超新星爆発のエネルギーすらも活動に利用できるのではないかというほどに文明が進化しつつある中、宇宙開拓の物語が始まるのであった。

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