002_初めての町、酒場
現在ステータス
ユーザー名:?
スライム族
レベル:1
ランク:F
今日の一言:死にたい☆
*ポイント評価、感想、レビュー!お願いします!
「いてて…」
余りにも高い場所から落とされたから結構痛い。
あいつ、座標ミスったな絶対。
見渡すとそこはいい雰囲気のパブ。
小汚れたカウンターには、角の生えてるオークやらなんやらキモい奴らが、わんさかいる。
見ている人に意識を集中させると、そいつの種族、レベル、ランクが分かるらしい。
俺は一通り周りを見渡してみた。
《オーク LV.2 ランクF》
《シャーマン LV.1 ランクF》
《スカルアーチャー LV.3 ランクE》
大体がランクF、Eで留まってるな。
どうやらここは、転移されたての新人が集まる場所らしいな。
良かった。スライムの俺でも堂々としてられる。
《ID「1145141919」さん!ここからは簡単な手続きを済ませて頂きます!》
あの金髪のおねぇちゃんだ。
誰も注目しないって事はこいつは、俺にだけ見えて、他の奴には見えねぇって事ね。了解。
《先ずは「勇者を全力でおもてなす協会」に入会してください!カウンターにいる店主に聞けば手続き用紙を貰えます!》
なるほど。
協会名は気にくわんが、とにかく入会しろって事ね。
さりげ無く、魔物でごった返すカウンターの椅子にちょこんと座る?そういえば俺は今立っているのか?
手も無いから店主を呼べない。
声で呼ぶ?そんなのインキャの俺に出来ると思うの?
とその時、横に座る超臭いオークがブヒブヒわめき出した。
「うるせぇなぁ…」
と心の中では思いつつ、店主が振り向くのを待つ。
ちょんちょんと体を突かれた。
誰かと思ってみるとガラの悪い盗賊みたいな奴が俺をじっと見つめていた。
顔が化学薬品で火傷したみたいに酷くただれている。
こいつも同じく超臭い。
「生意気だとよ」
どうやらこいつは、オークの喋る意味が分かるらしい。
表情から明らかに喧嘩を売っているのが分かる。
「悪かった、すまない」
と言ってなだめてからまた店主の方を見て待つ。
内心クソビビってます☆
落ち着く暇も無く、身体をガッと掴まれた。
「俺も気にいらねぇ」
「舐めるんじゃねぇぞ。俺は十二の国で死刑が決まってる。」
「気をつけるよ…」
「殺すぞ!」
あー、死んだ☆
「相手は子供だぞ、やめとけ」
声の主は、店主だった。
めっちゃ良い人やん!
てか、俺子供設定?
「お前、新入りだろ。これが手続き用紙だ。」
と言って、古い羊皮紙を渡された。
頭の中で念じれば用紙に書き込まれるらしい。
えーと。ID番号と性別、後はユーザー名?!
「このユーザー名ってなんなんですか?」
「IDだけだと呼びづらいだろ、好きな野菜でも入れとけ」
好きな野菜ねぇ…。
野菜嫌いだからなぁ、転移前の名前は「ユルゲン・クリント」だから「ユーリ」にしとくか。
可愛い感じの名前にしといた方が無難じゃね?スライムだし。
《ID「1145141919」ユーザー名「ユーリ」登録完了しました!》
《これから、貴方が獲得した経験値やアイテム、ゴールドなどは、全て貴方のゴブリン銀行の口座に振り込まれます!》
《直接、銀行に行っても引き落としは出来ますが、基本的に貴方のイベントリ画面からでも受け取りが可能です!また、銀行に入れておけば死亡時でも受け継がれます!》
へぇー、面白いシステムだ。
まぁ食い物買うくらいのお金はイベントリで、あとは銀行に振り込んどけば、無くならないと。
《それでは、ステータス割り振り画面を開いて下さい!》
ん?ステータス?
《現在、貴方が持っているのは合計で「10」ポイントです。貴方の決定次第で、素早さ、攻撃、防御に特化したものを作れます》
ほー。迷うなぁ。
まぁ、ここは攻撃でshーーー。
つるっ!
…?
なんかお尻が滑って椅子から落ちたら、知らぬ間に素早さ上がってるんですけどーー!
しかもよく見ると「歩行速度」に全振りされてる(泣
歩行速度て…(泣
こうして歩くのが速いスライムが出来上がりましたとさ。
《次回予告》
ステータスを歩行速度に全振りした俺氏。
初めてのクエストは【チュートリアル】?!
ハイリスクローリターンなレベル上げ!
次回、003_チュートリアルの恐怖
お楽しみに!