表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/162

果ての街へ到着。

街に着いたのは明け方近くになり、皆ぐったりしていた。

2人は盗賊に襲われた事から、2人は一晩中ダンジョンに潜り、空に飛ばされ、命からがら生き残った事から。

「ゴリさん、この後どうしますか?」

「取り敢えず、宿をとって寝たい、疲れた、その後考えよう・・・」

「賛成です・・・」


「あら、宿なんて取らないで家に来てよ、御礼もしたいし家は道具屋やっているからそれなりに広いしゴリさん?も眠れるわよ」

「いいんですか?お邪魔じゃ」

「邪魔なんて、助けて貰ってそんな事ないわよ、良いから来てよ」

グレゴリと灯は目を合わせると、

「宜しくお願いします」

「宜しく頼む」


街の入口が見えて来た

「誰だ貴様、その馬車は・・・」

グレゴリを見て、馬車の持ち主にも心当たりが有るのだろう、俄に殺気立つ門番達。

「待って、私よ」

「マリ?どうした、御者が、いやそもそも来る時間もおかしいし親父さんは?」

どうやら顔見知りのようでマリと門番が話をしている

「ゴリさん見た目何とかしたいねえ?」

「ほっとけ!」

灯が荷馬車の後ろからそう言うと、拗ねるグレゴリ

「でも、こうすれば少しは解決するんじゃない?よっ、と」

グレゴリの鼻に微かに甘い匂いがふわりと届く、灯がグレゴリの肩に座る

「何を、している?」

「マスコット、的な?」

マリと話をしている門番とは別にグレゴリを睨み付けている別の門番達に軽く手を振る灯

「っ」

門番達は、突如馬車から出て来た幼い容姿ながらも美少女と言える灯から笑顔を向けられて

年かさの門番は孫を見ているかの様な優しい目に、若い門番は娘を見ているかのような様子になり

「孫が、いつぶりかね・・・」

「昔はお父さんお父さんと懐いていた娘がっ」

ガクリと跪く門番も出て来た

「・・・やり過ぎじゃないのか?」

「手、振っただけなんだけど・・・」

「それにしても、多いな」

「門番?」

「ああ、ここまで人数は出さないだろうし、夜なら2.3人配置して門を閉じていれば済む事だ」

「何か、あったのかな?」

「この様子だと、有り得るな」

そんな会話をしている内にマリが話を付けて来たらしく

「お待たせお二人さん、盗賊は引き渡して、後日衛兵が店に来て話をする事にしたわ、さっさと帰って休みましょ、疲れちゃった」

「お疲れ様ですマリさん」

「お疲れ様」


門を潜り街に入る

「マリさん、この街の名前って?」

「此処は「ハジッコ街」よ、果ての果てね」

「ハジッコ・・・」

「ハジッコか・・・」

街の名前を聞いて、はあーとため息を吐くグレゴリと灯、それもそのはずハジッコ街とはこの世界ユグドラシルの果ての街として有名で、クエストは数える程しか無いが絶景のロケーションが多数実装されている、保養地エリアである。

「灯、飛ばされる前にホームと言っていたな、何処だ」

「王都・・・」

「拠点にしているホームタウンか?それとも家買ったのか?」

「両方、実際のホームのある拠点、ゴリさんは?」

「俺は野良専門だったから特には・・・」

「そう・・・、遠いねえ」

「遠いな、気長に行こう」

「ね・・・」

「何?貴方達王都に行くの?馬でも飼わないと大変よ?」

「あ、足はあるので大丈夫です、それでも遠いですけど」

「そうねえ、ま、一先ず寝て食べて落ち着きましょう」

「うん・・・」



「さて、ここよ私の家、ゆっくりしていってね」

「お、」

「おお・・・」

デカい!予想以上に立派な店に驚く2人

「ゴリさん、ここって」

「ああ、「マリとベルの道具屋さん」だな」

「あら、知っていたの、嬉しいけど恥ずかしいわね」

照れるマリさん、そうなのだこの道具屋はハジッコ街最大の店、ここで装備品を整えて保養地を回る人が多く、果ての街の重要拠点である。

「マリさん、もしかしてベルって」

「そうよ、お母さんの名前、お父さんがお母さんと私の名前を店名にしたのよ・・・」

店の前で話し込んで居ると、バーンッ!と扉が勢い良く開かれ

「マリ!無事なの!?」

マリさんとそっくりの恐らくお母さんのベルさんが抱き着く。

「ちょっ、お母さんっ、私は無事だからやめてよ、お客さんが、」

マリがそう言うとベルはグレゴリと灯に気付く。

「あらあら、まあまあ、ようこそマリベルのお店へ、何かご入用ですか」

「違う、お母さん、待って!」

マリがベルに道中を説明する、父親はまだ目を覚まさない

「あらあら、本当にお世話になりました、ありがとうございます」

「あ、いえ、何もしてませんから、それにお父様が、まだ・・・」

「お父さんはほっといて良いのよ!盗賊が来て馬車降りる時に滑って気絶しただけなんだから、今も寝不足で寝てるだけよ」

「えっ!?」

馬車に横になっている人物を改めて確認すると

「ぐー、ぐー、ぐー・・・」

「寝てる・・・」

「ね、言ったでしょ?」

「・・・」

私の気遣い魔法返せ!と思う灯である・・・


「お疲れでしょう、客間を用意させますから、どうぞどうぞ、えっと・・・」

「灯です」

「グレゴリです」

「灯ちゃんにゴリさんね、部屋の用意整うまでお風呂に入って食事でもどうぞ」

「ありがとうございます、遠慮なく頂きます!」

「お世話になります」



「灯ちゃんお風呂一緒に入ろ!」

「わ」

「あらあらまあまあ」

マリにあっという間に脱衣場へ連れ込まれ

「さ、さ、脱いで脱いで」

「わ、わ、」

あっという間に剥かれ

「灯ちゃん洗ってあげる!」

モコモコの泡泡で、全身をくまなく綺麗に

「や、んん、くすぐったい、お姉ちゃん・・・」

くすぐったさと羞恥から涙目で訴える灯

「何かいけない扉を開きそうだわ・・・」

そう言いながらも手は止めないマリ

「あ、やぁん・・・」

「ゴクリ・・・、いやいや、落ち着け私、そんな気はない。

それにしても灯ちゃん肌白くて綺麗ね、触り心地もすべすべで羨ましいわ」

「私こそ、お姉ちゃんが羨ましい・・・、綺麗な金髪に出る所出ているし、引っ込む所は引っ込んでるし」

「ありがと!でも灯ちゃんの黒髪も艶々で綺麗よ」

「大きくなるかな・・・」

「なるわよ、これからこれから、灯ちゃん10歳位でしょ?」

「え、えと、、14、です・・・」

「えっ!?同じ歳!?」

「えっ」

「あっ」

「・・・」

「・・・」

同じ歳でコレ!

妬ましい!お胸様が!


「灯ちゃん、ちょっと、怖いわよ・・・」

「・・・」

ムニ。

「あっ」

ムニムニムニムニ・・・

「ん、あか、りちゃっ」

「ズルい!半分下さい!」

「ええっ、落ち着いて灯ちゃ、っん!」



「あら遅かったわね、二人共顔真っ赤よ?何かしてたの?」

「の、のぼせました・・・」

「そうね、少し長湯し過ぎたわね・・・」

真っ赤な顔で揃って言う2人


「??」


空は既に白けていて、明けようとしていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ