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世界の果て。

灯とグレゴリは順調にダンジョンを上っていた

エンドコンテンツを少数クリアする灯は勿論、グレゴリもそのダンジョンに来る程の高レベル盾役プレイヤーで安定感は抜群

「ゴリさん後ろ!」

「おう!スタンバッシュ!」

ゴバァンッ!!

力任せに地面を殴る、その衝撃は地面を伝わり、周囲の敵にまで伝播、行動不能(スタン)させる

「ナイス!足止める!」

即座に詠唱、移動を封じる魔法と麻痺をばら撒く

「前もすぐ終わる、適当でいいぞ」

言いながら、片手で大剣を振り回し続けるグレゴリ

それは通常なら両手持ちの大剣であるが、グレゴリは2.3mと規格外の体格を誇る故に彼にとっては片手剣と変わらない。

質量攻撃は重量追加とシールドチャージで有用性を示しているが、この剣もまた同じであり、大剣の質量を持ちながら片手剣と変わらない手数と速度は鬼に金棒であった。


戦闘後

「ゴリさん凄いね、硬い上に火力もあるなんて引く手数多でしょ」

「いや、通常俺は火力は出せない、灯のバフが規格外なんだ」

「えー、そう?」

「ああ、確かに俺は大剣を片手で振り回せるが元が盾役、あんな速度で剣は振れない、灯のお陰だ」

「え、へっへっー、そう?でもゴリさんも硬くて大きいから頼れるよね!」

何気無い一言だが、大人のグレゴリには・・・

「灯、あまり、その硬いとか、大きいとか言うな・・・」

「ん?なんでー?」

無邪気に聞き返す灯にグレゴリは困り果てる

「いや、その・・・」


「灯!後で教えるから今は止めなさい(笑)」

笑いながらも外部から助け舟が来て助かる、男が女に説明する事ではない。

セクハラコードに引っ掛かって監獄行きはごめんである。




「あ、そこの小部屋で休憩しよ、何も無かったはず」

「だな」

肩に乗っている少女にも慣れて来て普通に会話しながら歩くグレゴリ

灯も乗り慣れたのか肩にぶら下がったまま、鼻歌混じりに足をパタパタさせている。

そして、小部屋に入り中程まで来たところ


ドン、ドン!


進路を絶たれる、同じく退路も

「えっ!?なんで」

「モンスターハウスか?」

「ううん、ここは一応安全地帯の筈なのに!」

焦った声に陸と鈴も反応する

「灯何かあったの!?」

「無事か?」

「あ、大丈夫、ただ進路と退路を・・・」

絶たれた、と言おうとした瞬間

ギィンッ!部屋を埋め尽くす大きさの魔法陣が足元に現れる。

「魔法陣!」

「え、これって、転移魔法陣、こんなの此処には無いのに」

「どうしたの!」

「灯!」

灯の焦りの声に陸と鈴も緊急性を感じ取る、魔法陣はもう起動している、すぐにも発動するだろう。

何処へ飛ぶかも分からない、下層か、上層か、はたまた外か・・・


「転移魔法陣!(トラップ)位置変わってる、敵の配置も少し変わってた、ホームで、」

出来るだけ情報を簡易かつ的確に分かるように伝える

しかし、そこで時間切れとなり転移は作動した


キィンッ!

そこには何も残っていなかった、灯もグレゴリも。



そして問題の転移先は



ゴオオオオオオオオッ


空、超高高度スカイダイビングである


「ウソぉぉぉー!」

「これは、どうしようもないな」

「ゴリさん諦めるの早過ぎ!」

「そうは言っても、これは・・・」

「何とかするから、ちょっと捕まえてて!」

肩から移動してグレゴリの胸辺りに来る灯、盾と剣を魔法鞄にしまい反射的に離れないよう抱き締める

(う、なんで女って奴はこんな柔らかいんだ、ふにゃふにゃしてて、やっぱり甘い匂いも・・・)

1人赤面するグレゴリ、それこそセクハラ行為である。



「・・・、よし、行ける!ゴリさん地面に着く直前に硬くなってね!多分死なないから」

「灯は!?」

「私単独ならどうにでもなるから気にしないで!ゴリさんは重すぎて軽量化してもムリだから!」

あー、勿体ない勿体ない!と思いながら霊薬を飲み干し詠唱を始める灯。


多重付与化(マルチバフ)軽量化(カルク)、軽量化、軽量化!」

「お、おい霊薬を・・・」

「うるさい、黙ってて!衝撃緩衝(ショック)、衝撃緩衝、衝撃緩衝!」

地面が近くなって来た、ギリギリか

三重詠唱(トリプルマジック)三倍加(トリプル)、三倍加、三倍加!」

初級魔法なら三回唱えた方が効率が良く、三倍加のようなオリジナル魔法は詠唱時間もさる事ながら、再詠唱時間も長いので並列発動、その際には詠唱加速(アクセルスペル)スキルを使う事も忘れない。

軽量化を3つ付与、衝撃緩衝を3つ付与、更に三倍加を3つ付与して27倍と効果を跳ね上げる、そうでもしないと死んでしまう高さから落ちている。

グレゴリの質量を戦闘時には上手く使っていたが今度は逆で、重くなればなるほど落下時のエネルギーが大きくなるからであった。

「ゴリさん!後は耐えて!」

もう地面が近い

「灯は!?」

聞くも、グレゴリの腕の中から灯は飛び出し、肩を踏み台に跳躍し離れて言った


「大丈夫!虹色玉(シャボン)!」

聞いた事の無い魔法を唱える灯、グレゴリは心配しつつも防御スキルを全開放、落下の衝撃に備える。


鉄人(スチールマン)

全身が鈍色の鉄に変わった。


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