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これから。

「後は戦闘関連もだな」

「痛み、HP、限界、体力・・・」

「まあ、その辺りの雑魚で試そう」

「挙動も気をつけた方が良いよね、考える生き物だし」

「ゴブリンとかキツそうだな・・・」

「陸頑張れ!俺は遠くから魔法撃つわ」

「瞬、ずるい」

「いやいや、後衛のガードとして俺は中衛寄りにシフトするからな」

「そうなると、前衛もう1枚欲しいわね・・・」

「灯と一緒に居る奴で良いんじゃないか?盾役(タンク)なんだろ?現状は前1、中1、後1で十分だろ」

「まあ、ね、でもグレゴリさんには実際会った訳じゃないから、今は何とも」

「灯が懐いて居たなら大丈夫、多分」

「ま、先の事は兎も角、1つずつ確認していこうぜ、あと陸気を付けろよ」

「大丈夫、ゴブリン程度なら」

「いや、臓物(モツ)にだな・・・」

「・・・」

「・・・」

鈴と陸が黙り込む

生物の生死、血や内蔵は当然生理的にに忌避感に繋がる、モンスターと言えど人型となれば余計そうであろう。

これからどうするか、冒険者として生きて行くなら避けられない道、商売でも良い、農業でも良い、普通に下働きする道でも構わない、戦う必要は無い。

お金は一先ず数年先まで困らない程度にある

「あーっと、すまん言い忘れてた、戦うか戦わないか、どうする?陸、鈴」

「その、言い方だと瞬は戦うのね」

「そうだな、戦う」

「理由は?正直必要性は薄いだろ」

「灯を守る為、もう二度とあんな事はあってはならない、それにこの世界治安悪いだろ、戦えた方が少なくとも後悔は少ないと思った、それだけだ」

「そう、まあ日本と比べたらどの国も世界も治安は悪いけどね・・・」

「俺も、やるよ、戦う」

「良いのか?」

「良いも何も瞬の言う通りだ、いざって時に戦えないと後悔しそうだから、やる」

「私もやるわ、苦手だけど必要な事だもの・・・」

そう、この世界で生きて行くなら戦う力は必要だ、モンスターなどという動く災害が存在する、日本の時の様に平和なまま生きられるとも限らないのだ、ならばやるしかあるまい、そう決意したのだった。


「取り敢えず、一体ゴブリンかオークでもやってみる、そこからだな、他にも試す事はあるがヤレるかどうか確認してからだ」

「うん」

「分かった」


それから2週間ほどを午前は情報、午後は戦闘に費やした

どうやら身分は「冒険者」として確立されているらしい、ギルドのランクカードがそのまま身分証明書として使える事が分かった。

冒険者のランクによっては相応の地位も約束されているらしい、俺達は皆Sランク、冒険者としてやっていくならさほど問題は無いようだ。

国それぞれの情報はゲームの以前のものと違いは無かった、ゲームでは政治的な話は無かったのでそこだけは改めて情報を集める必要があった。

王都エリス、エリス王国の首都、人族最大の国。

魔法都市サリュー、サリア魔法国の首都、多種族国家。

獣人街グレア、ガリル獣人連合の最大規模集落、獣人国家。

バルロッサ魔都市、国としての体制は不明、魔族国家。

エルフ、各地に集落が存在。

他にも少数国家、民族が存在しているが、主たる国、民族はこれら5つに絞られる。


正直エリス王国の評判は悪い、世界で唯一奴隷制度を布いていて、自国の国力が1番優れているせいなのか特権階級は人族以外を見下す傾向らしい、一般市民的には奴隷と関わる事自体が少なく、差別的な意識はほぼ無かった。

サリア魔法国は多種族から成っている事もあり、個を尊重しつつも上手くまとまっている。

ガリル獣人連合と魔族国家は「力こそ全て」で地位が決まっているらしいが、力ある者は力無き者を庇護する気風らしい。

エルフはやはり誇り高く、奴隷を得るのも奴隷になるのも恥としてエリスの奴隷制度に対しては嫌悪を隠さない程のようだ、特に容姿に優れたエルフの多くが奴隷化されている事も大きな理由。


王国が各国の民族を奴隷化している事もあり関係は最悪、エルフは言わずもがな、魔族に至っては「魔なるモノは全て滅するべし」人が正義で、魔族は悪、と説かれていた。


「なあ、灯が来たら国移動しねえ?」

「賛成」

「異議なし」

奴隷への嫌悪と国としての姿勢がどうしても受け入れられそうにない、他の国は平和に保っていると言うのに火種を撒く王国がどうしても好きになれなかった。

「エルフは他民族に厳しそうだし、無難に魔法都市か獣人街か?」

「魔法都市に行って、何か手を模索するのも良いかもね・・・」

手、と言うのは勿論元に戻る為の方策だ、現在の状況は瞬の話を聞き予想を立てたもので、絶対戻れないという確証がある訳ではない。

つまりは希望も持ちたいし、またこちらで生きて行く為の諦めも欲している。

「明確な目的がある訳ではないし、良いと思う」

「だな、灯が来たら話して、そうしようか」

「獣人のモフモフもわるくないけどね・・・」

鈴がポツリと言う

「・・・」

「・・・」

「な、何よ・・・」

「いや、別に・・・」

「皆揃ってから決めよう、急ぐ理由は無い、それでいいな?」

「おっけー」「問題なし」

今後の方針は決まった。



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