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決戦オークコロニー。

「う、わ・・・」

「これは・・・」

絶句の二人、それもその筈オークコロニーに着いて目にした光景は事前情報とは全く違かったからだ。


コロニーの規模は200から300程、事前情報は100。

上位種が存在する、事前情報は上位種無し。


正直、巫山戯るなと偵察を行った者を怒鳴りつけたい状況である。

数は問題では無い、只のオークが100から300に増えた所で手間と時間が掛かるだけだ、それだけの戦力は十分こちらにある。

問題は内訳、ざっとコロニー内部を歩いて確認した所、約半数近くがオーク上位種であったのだ、流石に数に質が合わさると押し切られてしまう、特にこちらの味方はこれだけの規模で生き残る程の力量は恐らく無い、全体で半数削れば御の字、後は数に負ける。

「ゴリさん、大規模戦闘(ウォーレイド)の経験は」

「有るが、あれは相手も多いが味方も多いだろ、今回は・・・」

「だよねえ、この数だし他のパーティーはコロニーから離れた個体をちょこちょこ間引く事に終始してるし」

この密度のコロニーだ、内部に入って戦い始めれば必ず周囲が気付いたり(リンク)する。

並の冒険者ならもたない、並の・・・

「灯」

「ん?」

「やるか?」

にやりと笑うグレゴリ

「考える事は一緒、かな?」

それに応えるように笑う灯

「だが問題がある」

「何?」

「これだけの数、剣が脂と血で斬れなくなる」

「魔法で綺麗サッパリ!そもそも血糊付かないようにバフ掛けるよ」

「何かあった時の退路は」

「任せて、大丈夫」

「余力は」

「余裕」

「なら」

「行こう!」




「広域伝達魔法展開するから、号令お願い」

「ああ、俺達に近付かない事、周囲から削ってもらう事、緊急離脱する場合があるからこちらの動向は常に確認する事」

「だね、じゃあいくよ!」

「おう!」

号令(コール)!」

「皆、聞け!こちらはグレゴリ灯組、我らはこれからコロニーの中心部で暴れる!俺達の近くには寄るな!敵の注意が俺達に向いたら周囲から間引いて行け!緊急離脱手段があるのでこちらの動向はしっかり確認しろ、良いな!」


おおおおおおおおおおおっ!!


周囲から了承の雄叫びが聞こえてくる

打ち上げ(ロケット)!」

ドンッ!

灯が魔法を唱えると、グレゴリの身体は勢い良く空へと打ち上げられる

「うおおおっ!?灯ぃっ!」

「ど真ん中!落ちるよ、着地よろ!」

ドズーーンッ!!

着地で一際大きなオークを踏み砕く、即時装備を変更

「「装備変更(ドレスチェンジ)」」

三倍加(トリプル)万能強化(マイティブースト)

「おおおおっ!」

大剣を横薙一閃、体の大きいオークが手応えも無く剣は振り抜ける

「ブギイイイイッーーァァァッ!」

数体が両断され事切れるも、踏み潰して迫る大量のオーク達

戦いの幕が切って落とされた。




「さっき踏み潰したのってキングか?」

「かも、まあクイーン居なくて良かったねー」

「ああ、クイーンが居たらもっと増えていた」

「それにしてもオークって臭いねえ」

「ゴブリンはもっとヤバそうだな」

「私こっちで良かったよ・・・」

まったり会話をしているが、その間も周囲のオーク共を紙切れのように切り裂いていく

「俺、盾役(タンク)なんだが?」

「私を守ってるじゃん」

敵の足を止め、攻撃を逸らし、魔法を封じる

「いや、そうでなくて、こんなに火力出ないから」

「三倍加で万能強化掛けたからね」

「万能強化?」

「まあ、〇王拳だと思って」

「界〇拳三倍?」

「ん!」

「反動は無いのか?」

「・・・」

「おい!」

「ゲームの時は何も無かった・・・、でもあまり使ってなかったから」

「これだけ強いのに常時使っていなかったのか」

「ステータス全体的に強化なんだけど、各項目はそれぞれ専用強化の方が伸びるから、それに消費が大きくてパーティー全員に配れないし」

「全員で四人のパーティーに配りきれないのか・・・」

「実は配れなくも無いけど、その後何もしなくて良いなら・・・」

「消費200オーバーなのか!?」

「うん・・・」

あまりの消費に驚く、基本的にステータスの最大値は1000であり、最大消費する公開済みの攻撃魔法が100そこそこと言えば、どれだけ消費が大きいか理解出来るだろう。

「もっと効率良く出来ないのか?」

「時間を見つけては弄ってるんだけど、中々上手くいかなくて、根本的には杖なんだよやっぱり、特殊効果で消費は減るし、ステータス補正が800の数値が1000になる位だから、私が使えればもっと伸びるのに・・・、まあゴリさんと二人で使う分には問題無いから」

そんな話をしながらもオークを減らしていく、大剣で斬り捨て、大盾で受け、大盾で殴り、大盾で押し潰す

「盾ってなんだろうな・・・」

「敵を殴る物?」

「味方を守る物だろ普通は」

「盾にカウンターで棘出るようにも出来るけど」

「止めてくれ・・・」

「しかし多いねえ」

「まあ、このまま押し切れるだろ」

グレゴリの死角のオークを転ばせ、吹き飛ばし、眠らせるがMPの余裕が少し無くなって来た灯はマジックポーションを飲みだす。

オークを薙ぎ払っている巨人(グレゴリ)の肩に座敷童子(和装少女)が居座り、クピクピと飲み物を飲む様は何とも珍妙な光景である。


「ゴリさん範囲攻撃とかないの?」

「無くはないが溜め時間がな」

「どれくらい?

「10秒程」

「敵止めるから撃ってよ」

「出来るのか?」

「多分」

「なら全部引き付けてやるからな」

「全部って残り全部?」

「ああ、扇型に吹き飛ばすから味方の位置を配慮して距離を取ってくれ、おおおおおおおおおっ!!」

グレゴリはスキル威圧と雄叫びで敵全てを行動不能、そして敵視を集める、それを確認した灯は詠唱開始


「分かった!打ち上げ(ロケット)

常に索敵(エコー)で各配置を把握していた灯は即座に打ち上げで条件を満たす場所へ跳ぶ

ゴオオオッズドンッ!「グギャ」

着地先にはギルドで揉めたザッコ達と足元には潰れたオークジェネラル。

「おうううっ!?旦那達!?」

突然巨人が降ってきて戦っていたオークを潰してしまうグレゴリの登場に焦るザッコ。

それを特に気にすることも無く

「下がっていろ、巻き添えを食うぞ」

言いながら敵に向き合うグレゴリ、ズンッ!ドンッ!大盾と大剣をそれぞれ自分の横の地面へ突き刺し手放す、そして取り出すは鎚。

その鎚は2.3mのグレゴリをして巨大、柄は2m以上、柄の先には片面は鎚、もう片面は鋭く円錐状に尖っている金属の塊が付いている。

それを両手で持ち、後ろへと振り被る、その手には血管が浮き上がりどれだけ力を込めているのかが伺い知れる。

ミシミシッ・・・

「げっ、皆逃げろっ!」

グレゴリに向かって集まるオークの大軍もそうだが、なにやら大規模攻撃を仕掛けようとしている二人に不穏な空気を感じ、ザッコ達は即時撤退を始めた。


拡大化(エリア)茨の道(ソーンバインド)

見れば離脱前に敵視を稼いだオーク軍団が迫る、その先頭集団へと茨が走り、その足を絡め取る。

「ブァァァォァッ!」

足元の茨を武器で薙ぎ払うオーク、灯はその間にも次の魔法を詠唱

拡大化(エリア)(ドロ)and重力(グラビトン)!」

茨の道を抜けたかと思えば今度は沼地、そして重力を課す事により沼地へと沈むオーク。

「ブギャァァァア!!」

怒りの咆哮をあげるが、グレゴリの溜め(チャージ)が終わる

「おおおおっ!大地崩壊(アースブレイク)

振りかぶった鎚を真っ直ぐ地面へと思い切り振り下ろすグレゴリ

その尖った先端が地面へと突き刺さる



その瞬間、地形が変わった。



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