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お披露目準備

灯が学園に行く事が決まったので制服も追加で作られる事となった。

そして城へ行ってから数日経ったある日、灯の存在が王アレクから公表される事となる、内容は


以下の者をルナリア公爵家当主サイリウス・ルナリア、妻リリスフルールの実子と認め、貴族として登録を認可する


アリエット・ルナリア 女 14歳


異界からの渡り人である為、一定期間の不適切な接触を禁ず。



この発表に未だ身を固めて居ない貴族は色めきたつ、ルナリア公爵家との縁を結ぼうとこぞって動き出した

まずは魔法国内の主要な貴族から大量の婚約の申し込みが来たのだった、エリューシアの時は一蹴されていたがもう一人なら?と期待が込められていた。

また異界からの渡り人との事で、灯は世間知らずと思われ都合良く使えると見なされたことも大きい

しかし、それをサイリが許すはずも無く

エルと同様に灯への申し込みも全て一蹴

ルナリア公爵家当主の掌中の珠は二つに増えたと噂された。


更に王の発表には一定期間の不適切な接触を禁ず、とあった為、最初の申し込み以外は穏やかな日々が続いている。

遅れて国外から何か来る可能性はあるが

サイリとリリスはこれらの事を灯には伝えていない

他に優先すべき事が有るので、余計な事で負担を掛けたくないから。


「アリィお披露目会だけど、それまでエステを受けてもらいますからね」

「え?エステ?」

リリスと一緒にお風呂に入る為、侍女達にドレスを脱がされている時に唐突に言われた

「そう、綺麗にしてお披露目しましょう?一生に一度だからね」

「う、うん」

ハッとドレスを脱がせてくれた侍女達を見ると、何人か裾と袖の短い白い肌着だけの人が何人か居た

「まさか、今から!?」

「ええ、お願いね、みんな」

「「「「はい!」」」」

「ちょっ!?」


獲物は逃がさないとばかりに侍女達に捕まり浴室に連行

モコモコの泡に包まれ全身を洗われる

布やスポンジでは肌を傷めるからと皆素手でニュルニュルと灯を撫で付けた

「あんっ!!待って!リィさん、ミィさん、ルウさんも」

今では見知った侍女達、容赦無く灯を洗う

「きゃー!珠のお肌ね」

「ムダ毛も全然無いわ」

「お尻もプリプリで引き締まっているし」

「やああっ!」

耳の裏から腋の下、足の指の間まで余す所無く洗う

勿論それは局部にまで及び

「あっ、そこはダメ!」

「いけません、お任せ下さい」

「や、自分でやるから」

「引けません!」

「ああっ!!」

そこで灯の羞恥心は焼き切れる

お尻の、股まで他人に洗われるなんて、もうお嫁に行けない・・・

そんな事もあって入浴が終わる頃には息も絶え絶え虫の息


「お、終わった・・・」

クタリと全身が疲労感に襲われた

「まだよ、これからが本番」

「えっ!?」

「香油と美白クリームで全身マッサージしますからね」

「ぜ、全身てまさか今のみたいに・・・」

「勿論です、さあ!さあさあ!」

「ひっ」

後ずさる灯、裸なので逃げ場はない・・・

最早、尻尾や獣耳で感じるとかそういった次元ではなかった

ニュルニュルニチャニチャと全身の隅から隅まで侍女達によって擦り込まれる

髪の毛も何やら塗られているが構う余裕は無い

人が羞恥心で死ねるなら、私は多分三回は死んでるよ・・・


俯せになれば手の先から肩、背中、腋の下、脇腹、腰へと

足先、指の間、脹脛、太腿と来て、お尻、


と間。

ニュル・・・、ビクッ!

ひいっ!やめてっ!と内心思っても止めてくれないんだろうな

「・・・」


尻尾もグチュグチュと揉み込まれて

「さ、仰向けになって下さい」

仰向け!?前もやるの!?と灯の顔は赤くなったり青くなったりと忙しい。

心を無にする灯、気付けば終わっていた


「もう、お嫁に行けない・・・」

「お嫁に行く方は皆似たような事を受けてますから行けます、大丈夫です」

「ひぐぅ・・・」

「一週間後のお披露目まで毎日やるわよ」

「もう好きにして・・・」

涙目の灯、しかしエステを受ける前より明らかに肌がすべすべを超えたすべすべになっていて何も言えない

「ツルツルだ・・・、髪も・・・」

髪も艶々で、肩に掛かってもサラサラと流れて行く

「アリエット様は1ヶ月以上旅をしていたと言う事で、やはり髪も肌もケアが十分では有りませんでした、一週間で本来の美しさを取り戻してみせます」

「あ、ありがとう・・・」

侍女達のやる気は満々だ、腕の見せどころなのだろう

確かにスベツヤなのだけど

羞恥以外は全て満足している、ただ恥ずかしさが強過ぎる!

「エルも同じの受けているのよ、流石に三人で一箇所の浴室ではエステ出来ないから別室だけどね、それより湯冷めする前に寝ましょうか」

「うん」

同じエステをリリスも受けていたのだが、いつもの様に一緒にベッドに入って裸の身体を寄せ合う

「お母さん、すべすべだ・・・」

「アリィこそツルツルのプルプルじゃない」

お互いお肌の感触を堪能、穏やかな眠りに就いた。


そんな毎日を過ごしている内、あっという間にお披露目会当日となった

場所は公爵邸敷地内、既に招待された貴族達が集まって談笑している


「おかしくないかな?」

「綺麗だよアリィ、やっぱりお披露目は止めよう」

「サイリ・・・」

「冗談だよ、」

「似合ってるよアリィ」

「エルこそ綺麗・・・」

「二人共綺麗よ」

「リリスこそ」


「皆様、招待したお客様が全員到着しました」

「よし行こう、アリィ?」

確認する様にサイリが灯と視線を合わせる

「ん、大丈夫覚えてる」

敬語は無し、頭を下げない、胸を張る、足下を見ない、返答に困る様なら扇子で口を隠し微笑む。

他にも意識するべき事はあるが、最低限抑えて顔を売るだけが目的だ

急拵えなのは灯本人が一番理解している、招待された人達も分かっている

今回招待された人はサイリとリリスに厳選されている、基本は爵位の高い者からであるが、人格的に優れた人を優先的に招待、更に条件として参加するのは招待された家の当主とその妻のみ、子息令嬢を連れて来ない事を徹底している

あくまでも灯のお披露目だけが目的である

自分の息子を夫にどうか、娘をお傍にどうか

などとくだらない事は聞きたくない、いいな?というある種の脅しを込めている、貴族ならその意図も理解している為、会場内にはエクス、エル、灯以外に同年代は居ない。


「手を、我が姫君達」

本日の主役は灯、そしてエル、エスコートはサイリが務める、リリスのエスコートはエクスが務める。

本来お披露目は15の誕生日を迎えてからが通例となっている、灯とエルは14歳で誕生日は3の冬月、現在は1の冬月なので少し待っても良かったが灯の今後の予定があまりにも詰まっているので前倒しでお披露目をする事にした。


その日、社交界に双子の華が咲いた。




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