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はじまり。

(あかり)頼む!」

黒龍の真正面に立つ盾役(タンク)瞬兄へ魔法を重ねる

「はい、おまかせあれ!三重詠唱(トリプルマジック)防御向上(プロテクト)攻撃増強(アタック)敏捷向上(スピード)!」

ついでに!

時間差詠唱(ディレイドスペル)解放!倍加(ダブル)

フルバフよ!

「おわっ、ちょっ、スピードにダブルは止めろ、操作がクソピーキーにっ!」

「はいはいっ瞬、文句は後で!敵視(ヘイト)稼がないと灯落ちるわよ、灯落ちたら全員即落ちなんだから!」

回復役(ヒーラー)(すず)が激を飛ばす。

「うるせっ鈴、分かってる!挑発(こっちむいて)ドラゴンちゃん!」

「さっ、陸、アンタはサクサク削る!」

「了解、スキル全空間歩法(パーフェクトラン)

スキルを発動した陸の挙動は完全に物理法則を無視する、空へ向かって走り、壁へと落ちる、そして完全に死角に入った瞬間

首落とし(デッドエンド)

一閃、黒龍の体力を根こそぎ持っていく一撃、通常の雑魚モンスターであれば即殺の攻撃であっただろう。

「うぼぁっ、陸テメー削りはジワジワやれっていつもっ!」

強烈な攻撃は敵視(ヘイト)を稼ぐ、当然・・・


「ゴアアアアアッ!!」

攻撃者の陸へと向かう黒龍

「分身!空蝉!瞬、早くなんとかして、死ぬ・・・」

何とかスキルで攻撃を逸らし、散らし、受け流す、だがアタッカーの陸は耐久力に乏しい。

「だあー、もう、陸覚えておけよ!?身代わり(サンドバッグ)!げぼっ、ぐえー」

助けて!死ぬ!盾役(タンク)の瞬が悲鳴を上げる

「ね、ヒール遅らせたら面白くない?」

そんな事を言いつつ、心底嬉しそうに笑う(ヒーラー)

「テメッ、ぐはっ、早く回復寄越せっ、げうっ、いや、ください!お願い、死んでしまいます!」

「ほほほ、あ、そーれ最大回復(マキシムヒール)再生回復(リジェネ)

戦線が安定したタイミングを見計らい、補助魔法(バフ)を追加で飛ばす灯

衝撃緩衝(ショック)重量追加(ファットマン)

衝撃緩衝は文字通り敵からの衝撃を少なくするバフ、重量追加は対象者の重さを増やしノックバック量を抑える、つまり・・・

「灯、衝撃緩衝はマジで助かる、でも重量追加はキツい!」

敵の強力な攻撃を受けても吹き飛ばずに敵の目の前に位置したまま、一息も吐けない盾役の完成である。


その時


ザザザッ


ノイズが走る


「え、ノイズ?」

「みんなノイズ走ったの?」

「こっちも」

「俺も、ぐはっ」


「おかしくない?全員にノイズって、バグか何か?ヒール」

「珍しい、と言うより、初めて?(なまくら)

「緊急メンテ来るかも、手裏剣(投擲スキル)

「じゃあ、サクッと決めて出ようぜ、ドロップロストなんて洒落にならない、ぐほっ」



程なくして、黒龍討伐!


「「「「いえーい!おつー!」」」」


「さ、ドロップ確定して、とっとと出よう」

「やっと出た・・・、胴部位・・・」

ホロホロと泣き出す灯

「灯、運極振りなのに物欲センサー働き過ぎよね」

「ううっ」

「確かに灯は残念、パーティー皆装備行き渡って最後にドロップって」

「でもでも、みんな指定部位被ることも無く行き渡るって運のお陰だよね!」

「いや、そうだけど、肝心の自分のドロップが最後って」



ザザっ



「ほら、ノイズの周期が早まってる、ダンジョン出てログアウトするぞ、時間もいい時間だ」

「うーい」

「あいあい」

「うん」


ぞろぞろとボス討伐後に出現した脱出魔法陣に入って行く

シュンが先に、続けて陸、鈴と、

「いえー、討伐記念っと」

黒龍の死体を前に写真(スクリーンショット)を撮り

最後に灯が魔法陣に足を踏み出した瞬間・・・



ザザザザッ、バツンッ!


激しいノイズが走り、視界が暗転した。




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